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推し画家を展示して価格を高めるゲーム
~「モダンアート・カードゲーム」で遊んでみた

絵画の価格はどのように高くなるのでしょうか?
ミクロ経済学では、価格は需要と供給のバランスで決まります。
人気があるのに商品が少ないと価格が上がり、逆に需要が少なくて在庫が多いと価格は下がります。
絵画の場合、作品の供給数が限られているので、人気が高くなれば価格が上がるのです。
では、人気を高めるにはどうすればいいのか――いろいろな方法がありますが、最も一般的な方法は露出を増やすことです。
人は接触回数が多くなればなるほど、その対象に対して親しみを感じるとされています。ですから作品の展示などで露出を増やしていけば徐々に人気は高くなるはずです。
というわけで今回は、画商になって仕入れた画家の作品をギャラリーに展示して、人気を高めて儲けるカードゲームを紹介します。

名作「モダンアート」のリメイク

「モダンアート・カードゲーム
完全日本語版」
ライナー・クニツィア
(箱絵はマリアナ・マルチンスの絵画作品)

カードゲームの名前は「モダンアート・カードゲーム」。
どこかで聞いたことがあるという方は、もしかすると以前に当コラムでとりあげたボードゲーム「モダンアート」を覚えてくれていたのでしょうか。

ゲームの世界で画商になってみませんか?
コラムはこちら>>

前回紹介したボードゲーム「モダンアート」は、画商になってオークションに参加して、高く売れそうな絵をできるだけ安く落札して利益をあげるゲームでした。
今回の「モダンアート・カードゲーム」は、ボードゲーム「モダンアート」をより遊びやすくリメイクしたものです。リメイクを手掛けたのは同じゲームデザイナーなので、ゲームの肝や雰囲気はそのまま生かされています。
「モダンアート」と「モダンアート・カードゲーム」のデザイナーは、ドイツのライナー・クニツィア。これまでに600以上のアナログゲームをデザインして、ドイツゲーム大賞を5回受賞している、ボードゲーム界の第一人者です。
そのクニツィアが2008年に発表した「モダンアート・カードゲーム」――いったいどんなゲームなのでしょうか。

魅力的な現代アート作品をカード化

実在の5人の画家の作品を配した
「モダンアート・カードゲーム」の絵画カード
出典:アークライト

「モダンアート・カードゲーム」では、2~5人のプレイヤーがそれぞれ画商に扮します。
各プレイヤーは最初に13枚の絵画カードをもらいます。これは過去に仕入れて、手持ちの在庫となっている作品です。
これらの作品を自分の画廊(ギャラリー)に並べて展示会を行うことで、それぞれの画家の人気を高めていきます。もとの「モダンアート」では画商の交換会(オークション)で作品を競り落とすことがテーマでしたが、「モダンアート・カードゲーム」ではオークションではなく、展示会でビジネスをしていきます。
画家は全部で5人います。
アークライト社から発売されている完全日本語版の「モダンアート・カードゲーム」では、実在の現代アートの画家5人の作品をそのまま使用しています。
リアリズムで寂しげな人物画を描くデニース・ジリアン・タン(シンガポール)。
日系ブラジル人の医師で、幻想的な生物を描くワーグナー・クロイワ(ブラジル)。
バスキアを彷彿とさせるポップアーティストのTEC(アルゼンチン)。
モノクロ版画のようなストリートアーティストのニコラス・サンチェ(ベネズエラ)。
ゲームのボックスアートにも使われたコラージュ作品のマリアナ・マルチンス(ブラジル)。
いずれも実在の画家で、大きめの絵画カードには彼らの作品がそれぞれ20枚近く描かれているので、ミニ画集としても楽しむことができます。


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人気の出た画家の作品価格が高くなるシステム

「マスターズ・ギャラリー」
ライナー・クニツィア
出典:Eagle-Gryphon Games

ゲームは全部で4つのラウンドに分かれています。 各ラウンドでは、プレイヤーは順番に自分の画廊に手持ちの作品を飾っていきます。ラウンドの終了時に、すべての画廊で最も多くの作品が飾られていた画家は人気があったと見なされて、価格が高くなります。自分の画廊に飾った作品を売って現金を手に入れましょう。
画家は5人いますが、価格がつくのはトップ3だけです。4位と5位の画家は、残念ながらそのラウンドは十分な人気を得られなかったため、買い手を見つけることができません。
でも、ご安心ください。売れてしまった作品は市場に戻ってこないので、次のラウンドからはその画家の作品は画廊に飾られにくくなります。つまり、前のラウンドで人気のなかった画家は、次のラウンド以降に人気を得られやすくなっています。
4回のラウンドが終わったら、それぞれの画商の得点(現金)を集計して、最も点の高かったプレイヤーが勝利します。
絵画カードのなかには、左上にマークがついているものがあります。それらの絵画カードを画廊に飾ったときには特殊効果が発動します。好きな画家に賞を与えてその画家の価格相場を高めたり、あるいは一度に2枚の絵画を飾ったりすることができます。
あなたは生き馬の目を抜くような画商の世界でトップに立つことができるでしょうか?

スマホアプリでも遊べます

アプリ版
「マスターズ・ギャラリー」の
プレイ画面
出典:Wheeler Games

「モダンアート・カードゲーム」は手軽で楽しく遊べるゲームですが、画家の名前に馴染みがないため、物足りなく感じてしまうことがあります。
そんなあなたのために、クニツィアは有名画家バージョンも用意しています。そのゲームの名前は「マスターズ・ギャラリー」(達人たちの画廊)。
「マスターズ・ギャラリー」に登場する5人の画家は、モネ、ルノワール、ドガ、ゴッホ、そしてフェルメールです。絵画カードにはそれぞれの画家の作品が印刷されています。
ゴッホの《星月夜》を使ったボックスが目立つ「マスターズ・ギャラリー」は、名前こそ異なりますが、「モダンアート・カードゲーム」とまったく同じシステムです。つまり、同じ内容のゲームが違う名前で販売されているわけで、ちょっと混乱しますね。
そのせいかどうかわかりませんが「マスターズ・ギャラリー」は海外でしか販売されておらず、入手が難しくなっています。
ですが「マスターズ・ギャラリー」はAndroidスマホのアプリになっているので、日本でもGoogle Playから簡単にダウンロードして遊ぶことができます。
アプリ版の「マスターズ・ギャラリー」は、なぜかモネ、ルノワール、ドガの代わりに、ダ・ヴィンチ、ムンク、クリムトの3人が入っています。
アプリ版では絵画カードが小さくなってしまうのが残念ですが、カードを長押しすることで拡大画像を表示することができます。

余談ですが、5人の画家をどのように選ぶかはそれぞれの地域のゲームパブリッシャーの腕の見せどころです。
たとえば「モダンアート」香港版では黄賓虹、陳師曽、呉昌碩、徐悲鴻、斉白石という中国人画家5人に取り換えられていました。韓国語版も当初は韓国人画家5人で発売しています。では、もし日本人画家バージョンがあるとしたら、どの5人で遊んでみたいですか?
権利関係を気にせずに現代アートの人気画家から選ぶなら、草間彌生、村上隆、奈良美智、ロッカクアヤコ……あと一人は誰がいいでしょう?

翠波画廊では、草間彌生作品のご用意がございます。
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