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価格の高まる画家は?
~悲劇すぎる人生が作品の価値を高めたモディリアーニ

 

2018年5月、モディリアーニの絵画「(左向きに)横たわる裸婦」がサザビーズ・ニューヨークのオークションに出品されました。この作品の予想落札額は1億5000万ドル。オークションにおける美術品の事前予想額としては史上最高値になります。
実際の落札額は1億5720万ドルと予想落札額に近いもので、オークションにおける絵画落札では史上4番目の高額でした。
モディリアーニの裸婦画は、2015年にも1億7040万ドルで落札されていて、彼が当今の人気作家であることがよくわかります。
モディリアーニの人気の秘密はどこにあるのでしょうか?

モディリアーニ「(左向きに)横たわる裸婦」1917年

モディリアーニは1920年に亡くなったイタリアの画家で、ユトリロや藤田嗣治と同世代の、エコール・ド・パリの画家として知られています。
その生涯については翠波画廊の書籍『「値段」で読み解く 魅惑のフランス近代絵画』(幻冬舎)に詳しく書いたので、ここでは繰り返しませんが、病弱で結核を病む美青年、アルコール中毒で薬物依存の荒廃した私生活、35歳での夭折、その死を嘆き悲しんだ若き妻の後追い自殺など、悲劇の画家の名をほしいままにしています。

絵画の値段は、その作品そのものが持つ魅力はもちろん、流行や景気など、その他の要因によっても上下します。画家自身のライフスタイルや人生も、作品の価値を決める要素にもなります。そのため、モディリアーニの伝記映画『モンパルナスの灯』においては、作品の価値を高めるためにモディリアーニの生前は絵を売らず、その死を待つ画商まで登場します。この画商の存在は虚構(フィクション)であることがわかっていますが、絵の価値が高くなることを予想して売り惜しむことは実際にあり得ます。

特に、若くして名声を得た画家が夭折すると、これ以上、その作品数が増えないことが明確になるわけですから、一時的に人気が高まることが予想されます。いつかは欲しいと思っていた人が慌てて買いに走るからです。しかし、死後何年かが経って、その人の名前が忘れられていくと、大抵は値段が下がってしまいます。モディリアーニのように死後100年が経とうというのに、いまだに価格が上がり続ける画家はめったにいません。

 

それでも死後何十年かを経て、その価値が歴史的に定まって再評価される画家もいます。例えば、1988年に27歳にして薬物中毒で亡くなったバスキアは、死後30年を経た現在、再び注目されています。2017年には、アパレルショップZOZOTOWNの前澤友作社長が、約1億1050万ドルでバスキアの作品を落札して話題になりました。これはオークションの絵画落札史上8位の高額価格とされています。

モディリアーニやバスキアのように若くして亡くなった画家は、その将来を惜しむ気持ちがあるのか、人気が高まる傾向があります。短い人生の中の、一瞬のきらめきを凝縮した作品ばかりを残すことができるからでしょうか。キリコやキルヒナーのように、年を取ってから若い頃の作品を否定するような言動があると、絵の価値に傷がついてしまいかねませんが、亡くなっている画家の場合はその心配もありません。

他に夭折した画家として有名なのが1918年に亡くなったエゴン・シーレです。クリムトの弟子として知られるシーレは、ゴッホやムンクなどの表現主義の影響を受けて、現在の視点から見てもユニークな作品を多数描きました。残念ながら当時流行していたスペイン風邪(インフルエンザ)に感染し、28歳で亡くなりました。妊娠中の若き妻も同じ病気で同時に亡くなっています。若い夫婦がお腹の中の子供とともに亡くなる悲劇は、その2年後にパリのモディリアーニで繰り返されました。

エゴン・シーレ「裸体の女」1917年


第一次世界大戦中に世界中で猛威をふるったスペイン風邪(インフルエンザ)は、多くの才能を奪いました。日本でも、1919年に洋画家の村山槐多がスペイン風邪で夭折しています。わずか22年の生涯でした。同じ年に、やはり洋画家の関根正二が20歳で亡くなっています。関根の死因は結核でしたが、村山槐多も結核を患っていて、身体が弱っていたためにスペイン風邪に抵抗できなかったのです。
20世紀前半には、結核もインフルエンザも治療法が確立しておらず、死に至る病として恐れられていました。モディリアーニの死因も結核による髄膜炎でしたし、モディリアーニよりやや時代は下るものの、パリの外国人画家として知られた佐伯祐三も、結核によって30歳で亡くなっています。1928年、二度目のパリ滞在中の客死でした。夭折した画家の作品に私たちが見るのは、その作品そのものと共に、画家の無念の魂であるのかもしれません。

佐伯祐三「ガス灯と広告」>>

 

オークション絵画落札価格ベスト10(2018年現在)
1. ダ・ヴィンチ「サルヴァトール・ムンディ」4億5030万ドル(2017年)
2. ピカソ「アルジェの女たち(バージョンO)」1億7940万ドル(2015年)
3. モディリアーニ「横たわる裸婦」1億7040万ドル(2015年)
4. モディリアーニ「(左向きに)横たわる裸婦」1億5720万ドル(2018年)
5. ベーコン「ルシアン・フロイドの3つの習作」1億4240万ドル(2013年)
6. ムンク「叫び」1億1990万ドル(2012年)
7. ピカソ「花かごを持つ少女」1億1500万ドル(2018年)
8. バスキア「無題」1億1050万ドル(2017年)
9. ピカソ「ヌード、観葉植物と胸像」1億0650万ドル(2010年)
10. ウォーホル「銀色の車の事故(二重の災禍)」1億0540万ドル(2013年)
(注・オークションで落札された絵画のみのランキングで、個人間取引は含みません)

 

翠波画廊では、モディリアーニ作品のご用意がございます。
作品はこちらよりご覧ください。

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