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ウォーホルがピカソを超えた日
~《マリリン・モンロー》が開く新たな時代

2022年5月9日、クリスティーズのオークションで、アンディ・ウォーホルによるシルクスクリーン作品《ショット・セージブルー・マリリン》が、手数料込み1億9500万ドル(約250億円)で落札されました。
絵画オークションの落札価格としてはダ・ヴィンチ《サルヴァトール・ムンディ》に次ぐ歴代2位で、18世紀以降の作品ではピカソを抜いて過去最高額になりました。
ウォーホルの《マリリン・モンロー》は色違いで何枚も作られていますが、今回落札されたのは1964年の制作で、額部分を弾丸で撃ち抜かれているといういわくつきのものです。
当時、ウォーホルが完成した絵を置いているところに知人の写真家が来て、これを撮影(shoot)していいかどうか尋ねました。ウォーホルが許可すると、彼女はすぐさま拳銃を取り出して作品を撃った(shoot)そうです。
Shootという英単語には「カメラで撮る」という意味と「銃で撃つ」という意味の二つがあるので、ウォーホルをからかったのでしょう。
驚いたウォーホルは「二度としないでくれ」と厳重に注意したそうですが、この出来事によって、撃たれた4枚の作品は「ショット・マリリン(撃たれたマリリン)」として有名になりました。今回、まれに見る高額で落札されたのは、それが「ショット・マリリン」の1枚だったからでしょう。

挑発的なウォーホルの言葉たち

アンディ・ウォーホル
《マリリン・モンロー23》(サンデー・B・モーニング版)
翠波画廊にて販売中

現代アート界のスーパースターともいえるアンディ・ウォーホルは、いったいどのような人だったのでしょうか。
アンディ・ウォーホルといえば、次のような言葉が有名です。

「誰でも15分間なら有名になれる時代がくる」
「私について知りたければ、絵と映画と私の表面だけを見ればいい。裏側には何もない」
「お金を稼ぐことはアートだ。働くこともアートだ。成功したビジネスが最高のアートだ」

……なんというか、すごくニヒリストに感じますよね。
ギリシャ哲学のプラトンは、世のなかの事象にはイデアと呼ばれる理想や本質があって、それを写し取ることがアートだと考えました。
一方ウォーホルは、物事には目に見える表面しかなく、アートはビジネスでしかなく、だからこそ流行さえつかまえれば、誰でも一時的に有名になれると言いました。
このようなウォーホルのニヒリズムは、本質や理想の追求を暑苦しくてダサいとする時代の感性にマッチして、彼の人気を高めました。
ウォーホルが80年代のセレブとなったのは、文化を「軽チャー」と表現するような当時の空気感と無縁ではないでしょう。
実際ウォーホルは日本でも受けていて、80年代の日本のTVCMにも登場しています。CMの内容もナンセンスで表面的なものでした。

TDKビデオテープCM アンディ・ウォーホル


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敬虔なカトリック信者だったウォーホル

アンディ・ウォーホル
『ぼくの哲学』新潮社

これらのウォーホルの発言は、どこまで真に受けていいものでしょうか。
もしかすると、ウォーホルは「有名」であり続けるために、メディア受けを意識してリップサービスしていたのかもしれません。
実際のウォーホルはどのような人物だったのか調べてみました。
ウォーホルの両親は東欧からの移民で敬虔なカトリック教徒でした。そのためウォーホルもカトリック信者として育ち、成人しても日課のお祈りと教会での礼拝を行っていたそうです。意外ですよね。
ウォーホルが礼拝を欠かさなかったのは、母親と同居していたからとも言われています。
ウォーホルは少年時代に父を亡くしていて、末っ子で体も弱かったため母親に大切に育てられました。
ウォーホルが地元の大学を卒業してニューヨークで働き始めたとき、彼の世話をするために、ウォーホルの母も地元を離れてニューヨークに引っ越しました。生涯独身を通したウォーホルは、23歳から43歳まで母との同居を続けていたのです。
ウォーホルの母ジュリアは、病気で動けなくなるまで最愛の息子のそばを離れませんでした。

心のうちをメディアに明かさなかったウォーホル

アンディ・ウォーホル
《キャンベル・スープ グリーンピース》
(サンデー・B・モーニング版)
翠波画廊にて販売中

ウォーホルはメディアでのインタビューなどで母について口にすることはほとんどありませんでした。
「表面だけを見ればいい」と公言していたウォーホルは、自らの来歴やアイデンティティーについて語ることを極力避けていました。
クールでニヒルな言動は、心のうちを知られたくないがためのポーズだったのかもしれません。
その一方でウォーホルは、ファクトリーに出入りしていた女学生のパット・ハケットに頼んで、口述筆記で本を何冊か出版しています。
パット・ハケットが編集したウォーホルの本は、『ぼくの哲学』、『ポッピズム ウォーホルの60年代』、『ウォーホル日記』の3冊にのぼりました。
これらの書籍には、同居していた母のことはまったくと言っていいほど書かれていません。性生活をともにしたパートナーについても触れられていません。ウォーホルが語るのは、仕事やパーティなどおおやけに出会った人のことばかりです。
ウォーホルが自身のプライベートを慎重に隠していたことがよくわかります。

彼の秘密主義は徹底していたため、母親が故郷に帰って1年後に亡くなった後も、そのことを誰にも言いませんでした。
友人から「お母さんはどうしている?」と聞かれると、ウォーホルは決まって「元気だよ」と答えていたそうです。
今でこそ同性愛者であったことが判明しているウォーホルですが、生前は絶対にカミングアウトしませんでした。
カトリックでは同性愛が忌避されていたことも関係しているかもしれません。友人ですらウォーホルのパートナーについてはあまり知りませんでした。
ウォーホルは仮面をかぶることによってメディアの寵児となったのです。

絵画オークション落札価格ランキング(2022年5月現在)
1. ダ・ヴィンチ《サルバトール・ムンディ》4億5030万ドル(2017年)
2. ウォーホル《ショット・セージブルー・マリリン》1億9500万ドル(2022年)
3. ピカソ《アルジェの女たち(バージョンO)》1億7940万ドル(2015年)
4. モディリアーニ《横たわる裸婦》1億7040万ドル(2015年)
5. モディリアーニ《(左向きに)横たわる裸婦》1億5720万ドル(2018年)

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