絵画に投資した人たちはどうなったのか
~絵画投資組合ポー・ド・ルルス(熊の皮)で大儲けした100年前のビジネスマン
現在、名作絵画の価格が徐々に高くなっています。
かつて絵画は、貴族がパトロンとなって描かせる高級品でした。その貴族の屋敷に飾られる風景画や、貴族自身や家族の肖像画などはプライベートな制作物であり、市場に流通することはありませんでした。 19世紀半ばに活動を始めた印象派の画家達は不幸でした。いまだ絵画市場が十分に立ち上がっていなかったため、経済的に困窮したのです。そのため、例えばルノワールは数多くの肖像画を描いて糊口をしのぎました。モネは富豪のパトロンを見つけて生活を安定させますが、そのパトロンが事業に失敗するなど有為転変を味わいます。セザンヌは売れない時代が長く、裕福な実家の援助に頼って暮らしました。絵画の市場ができて、印象派の絵が売れるようになったのは、ようやく19世紀末になってからのことです。 ひとたび認知されると、絵画市場は急速に広がりを見せました。19世紀末から20世紀初頭にかけて、印象派の作品は急激に価格が高騰し、ゴーギャン、ゴッホ、スーラなどポスト印象派の作品も続けて値が上がりました。 絵画は確実に投資対象になると見込んだルヴェルは、さらに1904年、仲間と資金を募って投資組織ポー・ド・ルルス(熊の皮)を立ち上げました。この名前は、皮を売る利益を求めて熊を追いかけるラ・フォンテーヌの寓話から取ったものです。
1904年から1913年、とりわけ1900年代には、友達同士で集まったようなわずか13人の小規模な投資グループにも十分な絵画取得のチャンスがありました。ルヴェルはさらに、画家本人と渡りをつけて直接買うことで、購入経費を安く抑えました。 画家の芸術作品を投資目的で購入し、あらかじめ定めた期間の後に売却する行為は、絵画を金儲けの道具にしたと画家達からの非難を浴びそうですが、そうはなりませんでした。なぜならばポー・ド・ルルスは、そのような批判をあらかじめ折り込んで、利益の20%を画家に還元すると発表していたからです。それまで、転売による利益の恩恵にまったくあずかれなかった画家達はこの決定に欣喜雀躍し、ピカソの友人アポリネールなどの批評家も賛美の声を送りました。 さて、多大な成功を収めたポー・ド・ルルスは、絵画市場の黎明期という時代の恩恵を受けただけでしょうか。それとも、見る目のある人であれば今でも同じように絵画投資で成功できるのでしょうか。
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