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ミッフィーの作者が影響を受けた画家とは?
~マティスとモンドリアンとドゥースブルフ

ミッフィーというウサギをご存じでしょうか?
オランダのグラフィック・デザイナー、ディック・ブルーナが絵本のキャラクターとして生み出したミッフィーは、世界中で大人気となり、アニメ化もされています。
このミッフィー、実は本国オランダでは「ナインチェ・プラウス」という名前です。
英語圏に翻訳されたときにミッフィーという英語風の名前がつけられて、世界中に広まったのです。日本では、ミッフィーではなく「うさこちゃん」の名前になっています。
ところでミッフィーの作者ディック・ブルーナが、もともと画家志望で、同時代の美術運動に大きな影響を受けていたことをご存じでしょうか。

 

ブルーナの青は、マティスの青?

マティス
≪ロザリオ礼拝堂の
ステンドグラス(一部)≫

ブルーナが最も影響を受けた画家は、色彩の魔術師と呼ばれたアンリ・マティスです。
インタビューで、ブルーナは次のように述べています。
「アンリ・マティスからは今でも展覧会に行くたびに学ぶことも多いですね。どうやって色を組み合わせているのだろうか、どうやって線を描いているのだろうかと」


 

ブルーナが初めてマティスの作品を見たのは21歳のときです。
マティスが晩年に4年間かけてデザインした、ヴァンスのロザリオ礼拝堂を訪れて、ステンドグラスや壁画をはじめとする作品に心打たれたそうです。
マティスの使った青と緑は、たしかにブルーナの作品にもよく登場しています。

 

マティス
≪ジャズ(一部)≫

ブルーナの絵本は、ブルーナ・カラーと呼ばれる6色で構成されています。
それは赤、青、黄、緑、茶、グレーの6色です。
中でもブルーナが最も大切にしたのが青です。ブルーナの世界では、空も海も青で表現されます。
マティスもまた、青をよく使いました。晩年の切り紙作品「ジャズ」には、ブルーナのような青が使われています。
というより、マティスの青に影響を受けたのが、ブルーナの青なのでしょう。

 

 

 

ミッフィーもマティスが好きだった?

マティス
≪コリウールの開いた窓≫

ブルーナは次のようにも述べています。
「私はいつも枠のある窓辺に魅せられます。マティスは窓から見える風景を絵にしました。素晴らしいものです。私は外の世界を窓で囲まれた範囲から眺めるのが大好きなのです。」
ブルーナの絵本に窓がよく出てくるのはファンには周知の事実ですが、そこにはマティスの影響があったのですね。

ディック・ブルーナ
『うさこちゃん びじゅつかんへいく』
(福音館書店)

そんなブルーナは、自分の好きな美術を題材にミッフィーの絵本を描いていました。
タイトルはストレートに『うさこちゃん びじゅつかんへいく』。ミッフィーが美術館に出かけて、いろいろな作品を見ていろいろな感想を抱くおはなしです。
この本の表紙には、ミッフィーがもっとも感銘を受けた作品が描かれています。
それは、いろとりどりのうさぎの顔の型がランダムに並べられたものです。


 

アンリ・マティス
「植物」
作品詳細 >>

 

本文には、次のように書かれています。
「たくさんの うつくしい いろ。 まるで はさみで きりぬいたよう」
この絵も、マティスの切り紙の作品を思い起こさせます。
実は、ブルーナもまた、絵本の色を筆で塗るのではなく、ブルーナ・カラーの6色の色紙を切って作っていたのだそうです。だから、ブルーナの絵には塗りムラがありません。

 

 

ブルーナの絵は抽象美術?

ディック・ブルーナ
『うさこちゃん びじゅつかんへいく』(福音館書店)

ミッフィーは美術館で、ほかの絵も見ています。
たとえば、こんな絵。
どこかで見たような気がしませんか?


 

この絵は、ブルーナと同じオランダの画家、ピエト・モンドリアンやテオ・ファン・ドゥースブルフの抽象絵画を彷彿とさせます。

ピエト・モンドリアン
≪コンポジション≫

モンドリアンとドゥースブルフは、
デ・ステイル(ザ・スタイル)というグループを作って、様式美を追求しました。
ブルーナはこの美術運動にも影響を受けました。黒くて太い線と、赤青黄色の平面的な着色は、まさにブルーナの絵の世界です。

テオ・ファン・ドゥースブルフ
≪コントラ・コンポジション≫

ブルーナは子どもの頃は、同じオランダの画家レンブラントが好きだったそうですが、やがてマティスやレジェなどのフランス近代美術、そしてデ・ステイルなどオランダの現代美術を好むようになりました。
そうして、シンプルな線と明快な色彩が特徴のミッフィーを生み出して、世界中の子どもたちを喜ばせたのです。


 

ブルーナは惜しくも2017年に89歳で亡くなりましたが、2020年現在もNHKでアニメが放送されているように、そのキャラクターは今後もずっと生き続けます。


1954年に没したマティスの絵が今も愛されているように、芸術は永遠の命を持つのです。

 

参考文献:
『ディック・ブルーナの世界 パラダイス・イン・ピクトグラムズ』(駸々堂出版)
『ブルーナが語るミッフィーのすべて 絵本からグラフィックワークまで』(白泉社)

 

 

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