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草間彌生のかぼちゃを買ったアラブの石油王って誰?
~《サルバトール・ムンディ》も買った大富豪

ダ・ヴィンチ ≪サルバトール・ムンディ≫ 1500年頃(4億5030万ドルで落札)

2020年現在、世界一高額な絵画は、レオナルド・ダ・ヴィンチの≪サルバトール・ムンディ≫だとされています。この絵のオークションでの落札価格は、なんと約4億5030万ドル(約508億円)でした。
2番目に高額で取引された絵画が、ウィレム・デ・クーニング≪インターチェンジ≫で、約3億ドルですから、1.5倍もの価格差をつけた圧倒的なトップです。
この≪サルバトール・ムンディ≫、落札当時は購入者不明とされていたのですが、謎の所有主の正体は、サウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン皇太子であると言われるようになりました。
もともと、購入者はアラブの石油王だろうと推測されていました。落札後にアラブ首長国連邦にあるルーブル・アブダビ美術館が、この絵画を公開すると発表したからです。
最近、この絵が皇太子所有の船に飾られていたなど具体的な証言が出てきたことで、所有主が絞られました。 このムハンマド皇太子は、草間彌生のかぼちゃのインスタレーションも購入したとのうわさが出ています。いったい、どのような作品なのでしょうか。

 

草間彌生の無限に広がるかぼちゃの部屋へようこそ

サウジアラビアの皇太子が購入したとされる草間彌生の作品は、全面が鏡張りの小部屋の中に、黄色地に黒のドットを配した光るかぼちゃをたくさん並べたインスタレーションです。
床や天井も含めてすべての壁が鏡ですから、草間彌生のあのかぼちゃが無限に増殖して見えるところがポイントです。実際にこの部屋の中に入って見た人は、その荘厳さに圧倒されるそうです。
このインスタレーションにつけられたタイトルは≪All the Eternal Love I Have for the Pumpkins≫(かぼちゃに対して私が持つすべての永遠の愛)。草間彌生のかぼちゃ愛が伝わってくる作品名です。
このインスタレーションは、1991年に草間彌生が制作した最初のミラーパンプキンルームで、アメリカに存在する唯一の「無限の鏡の部屋」です。
2020年1月いっぱいまで、マイアミ現代美術感(ICA Miami)に貸し出されて、展示されています。 いまなら15ドルの入館料を支払うだけで、この鏡の部屋に入れますが、フロリダ州マイアミに行く必要がありますから日本人にはちょっと厳しいでしょう。
≪All the Eternal Love I Have for the Pumpkins≫は、アメリカの美術館をぐるぐると回っていて、なかなか日本にはやってきません。人気作品なのでレンタルを希望する美術館が絶えないのです。

 

 

美術品をめぐる金と契約の闇

この作品の所有者が、サウジアラビアの皇太子と報道されたわけですが、実は前の所有者との間で紛争が起きていることも同時に明らかにされました。
どうやら、このインスタレーション、前の所有者の同意がないままに、ムハンマド皇太子に売却されてしまったようなのです。
報道によれば、以前の所有主はドイツの美術品投資会社「Fine Art Parners」です。投資会社ですから、実際に作品を飾って眺める用途には使いません。そこで、売買や管理をエージェント(代理人)であるロンドンの「Inigo Philbrick Gallery」に任せていました。「Inigo Philbrick Gallery」は、作品をさまざまな美術館に貸し出すことで利益をあげて、「Fine Art Parners」に還元していたようです。
2017年、投資会社「Fine Art Parners」は代理店の「Inigo Philbrick Gallery」に依頼して、330万ドル(約4億円)でこの作品を入手しました。その際に、500万ドル以上で購入する客が現れれば売却してもよいとの契約を結んでいたようです。
投資会社は十分な利益が出れば良いのですから、高く転売できるのであれば機会を逃さずに売却してほしいと望むのは当然でしょう。「Inigo Philbrick Gallery」は、この契約に即して、サウジアラビアの皇太子に500万ドルで作品を売却しました。
しかし、どのようなボタンの掛け違いがあったのか、投資会社「Fine Art Parners」は、作品の売却について事前に知らされていなかったとして「Inigo Philbrick Gallery」を訴えました。そして、同社に管理を任せてあるすべての美術品、総額約15億円をすぐに返還するように求めました。
以上が報道された訴訟の背景です。
サウジアラビアの皇太子にしてみれば、正式に売買契約を結んで入手したものであるのに、代理店と所有者との間で揉めて、名前が報道されてしまうのはいい迷惑と言えるでしょう。

 

≪サルバトール・ムンディ≫は真筆か

サウジアラビア5リヤル紙幣に描かれた サルマン現国王

マスコミのゴシップ報道は、この訴訟だけにとどまりません。
皇太子が大金を叩いて手に入れた≪サルバトール・ムンディ≫についても、一部の専門家からダ・ヴィンチ本人の作品ではないとの声も上がっており、美術品収集の難しさがうかがえます。
この≪サルバトール・ムンディ≫という絵画は、1958年にオークションに出品されたときには作者不詳と言われて、一般人の女性にたったの15万円で落札されたものでした。
2005年にニューヨークの画商が入手した時の価格も、わずか100万円でした。この画商が2008年にルーヴル美術館に鑑定を依頼して、ダ・ヴィンチの作品と認められるようになりました。
その後、紆余曲折があって2013年にロシアの大富豪が約140億円で買い取り、2017年にアラブの王族が約508億円で落札したというのですから、大化けしたという意味で非常に夢のある絵画です。
本物だと言われれば価格が上昇し、そうでないと言われれば価格が下がるのですからリスクはありますが、サウジアラビアの皇太子にとってはそれだけの価値がある絵画だったのでしょう。
ちなみにサウジアラビアの初代国王イブン・サウードには89人の子どもがいました。現在のサルマン国王はその中から選ばれた一人で、政敵がたくさんいます。政治の実権を委任されているムハンマド皇太子にとって、アートの購入はストレス解消の一つなのかもしれません。

 

ところで、お金持ちの代名詞として「アラブの石油王」などと言われるように、サウジアラビアの王室には富裕層のイメージがありますが、王室の資産額で言えば世界第3位です。タイやブルネイの王室のほうがお金持ちなんですね。
もっとも、資産額と使えるお金の額は違います。立憲君主制のタイやブルネイより、政治の全権を握っているサウジアラビアの王室のほうが派手なお金の使い方をしているように見えるのでしょう。

 

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