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有名画家の子孫は何をしているのか?(その2)
~芸術家の血を受け継ぐルノワールとマティスの系譜

功成り名を遂げた画家は多くの遺産を子孫に受け継がせます。
ピカソは生涯で15万点の作品を制作し、そのうち4万5000点を子孫に残し、遺産総額は7500億円にのぼったと言われています。
ピカソの子孫から相続税を徴収するために、フランス政府がわざわざ現物納付の制度を作ったほどです。 ピカソほどでなくても、有名画家の子孫は莫大な財産を受け継いで、その管理だけで暮らしていくことができると言われています。
彼らはその後どのような暮らしをしているのか、調べてみました。

 

 

才能を受け継いだ、ルノワールの子孫

前回ご紹介したゴッホの子孫のテオドルス・ファン・ゴッホのような映像プロデューサーとして思い当たるのは、ルノワールの子どもたちです。
印象派画家のルノワールには3人の息子がいました。この3人のうち2人は、絵画に代わって台頭してきた映画芸術に携わる仕事につきました。
長男のピエール・ルノワールは俳優になり、『天井桟敷の人々』など、いくつかの映画に出演しました。
次男のジャン・ルノワールは高名な映画監督になり、後に、アカデミー賞名誉賞やフランス政府のレジオンドヌール勲章などを受賞しています。
三男のクロード・ルノワールは陶芸家となり、ルノワールの遺産の管理人となりました。

ルノワール≪ジャン・ルノワールの肖像≫1910

ちなみに、長男のピエール・ルノワールの息子、つまり画家ルノワールの孫は叔父と同じクロード・ルノワールという名前で、映画の撮影カメラマンとなりました。彼はもう一人の叔父のジャン・ルノワール監督の映画のほか、人気映画『007/私を愛したスパイ』やピカソのドキュメンタリー映画『ミステリアス・ピカソ 天才の秘密』などで撮影監督を務めました。
このクロード・ルノワールには子どもが2人います。画家のルノワールの曾孫にあたるこの2人の兄妹も映像芸術の担い手になりました。
兄のジャック・ルノワールは父と同じく映画の撮影監督となり、妹のソフィー・ルノワールは女優として活躍しました。彼女はエリック・ロメール監督の映画『友だちの恋人』などに出演しています。

 

では、ルノワールの子孫には結局、画家は誕生しなかったのでしょうか。
いいえ、実は他にも子どもがいたのです。
あまり知られていませんが、ルノワールもピカソのようにプレイボーイとして有名でした。
ルノワールの描いた女性の絵を見れば、彼がさまざまな女性を愛してきたことがわかります。
ルノワールが愛妻アリーヌ・シャリゴと正式に結婚したのは49歳のときですが、交際自体はその10年前から続いていて、婚姻前にはすでに長男のピエールが生まれていました。
ルノワールがなかなか結婚しなかったのは、他にも交際相手がいたからです。例えばユトリロの母であるシュザンヌ・ヴァラドンもルノワールのモデル兼恋人の一人でした。ユトリロの父はルノワールではないかとの説まであります。
そして、初期にルノワールの絵のモデルとなったリーズ・トレオは、ルノワールの娘のジャンヌ・トレオを産んでいます。ルノワールは生前には決して認知しませんでしたが、晩年は密かにジャンヌに経済的援助をしていました。
さらに、同時代の女性画家フレデリック・ビソンもルノワールの娘リュシエンヌ・ビソンを産んでいます。婚外子として育ったリュシエンヌは、両親のようにパリで画家となりました。エコール・ド・パリの時代のことです。

 

 

 

アーティスト・ファミリーとなったマティスの子孫

画家の子孫のよくあるパターンは、やはり美術業界で生きていく道です。その中には、芸術家や画商として成功する人もいます。
アンリ・マティスには3人の子どもがいました。
長女のマルグリット・マティスは父の財産管理人となり、長男のジャン・マティスが彫刻家となる一方、次男で末っ子のピエール・マティスはニューヨークに渡って、画商として成功しました。
画商ピエール・マティスは現代美術の中心地がパリからニューヨークへと移り変わる以前に、ヨーロッパのアートをアメリカで紹介して、時流に乗りました。
彼はミロやシャガールといった大御所から、ポロックやバルテュスといった新進画家まで幅広く現代アートを扱い、ビジネスで成功します。

アンリ・マティス≪ピエール・マティスの肖像≫1954

 

ピエール・マティスは、その商売柄、さまざまなアーティストと交流がありました。そのためか3人の子どもたちのうち2人は、長じて現代アーティストとなります。
ポール・マティスジャクリーン・マティスです。この2人はアンリ・マティスの孫に当たります。
また、ピエール・マティスは3回結婚しましたが、最初の妻アレクシーナ・マティスはピエール・マティスとの離婚後に、あのマルセル・デュシャンと再婚してアレクシーナ・デュシャンとなりました。 そのため、ポールやジャクリーンを含む3人の子どもたちは、デュシャンを義父として持つことになります。まさにアーティスト・ファミリーですね。
さらに、彫刻家ポール・マティスの娘であるソフィー・マティスは、アメリカの現代アーティストとして、父のポールや叔母のジャクリーンよりも有名になりました。
ソフィー・マティスは曽祖父が高名な画家アンリ・マティスで、祖父が画商のピエール・マティス、義理の祖父がマルセル・デュシャン、父親も叔母もアーティストという家柄から、「アートの王族」と呼ばれています。
ソフィー・マティスの娘のガイア・マティスは、セレブ一家の娘として20代ニューヨーカーのカリスマとも言われ、トランプ元大統領の娘のティファニー・トランプとも交流があります。

 

 

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有名画家の子孫は何をしているのか?(その1)~遺産の管理に追われるゴッホとピカソの系譜


 

 

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