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現代アートの画家が描いたレコード・ジャケット
~ゲルハルト・リヒターからリチャード・プリンスまで

音楽は聴覚芸術であり、視覚芸術である絵画とは異なりますが、レコードというかたちで商品になると、ジャケットで目をも楽しませてくれます。
また現代アートはインスタレーションやパフォーマンスなどへと発展するなかで、聴覚にも刺激を与えるようになりました。
このように、音楽と絵画とが合わさったのが、レコードのアート・ジャケットです。
特に1980 年代には、感性の尖ったミュージシャンは、現代アートの画家の作品を積極的にレコード・ジャケットに使用してきました。
今回は、現代アートとポップミュージックの格闘をご紹介しましょう。

 

存命する画家で最高峰と呼ばれるのは誰か

Sonic Youth『Daydream Nation』
1988年(ゲルハルト・リヒター)

存命画家の絵画で、競売で最も高額で落札されたのは、イギリスのデイビッド・ホックニーの絵画≪芸術家の肖像画―プールと2人の人物―≫で、約99億円となっています。
ホックニーが2018年に記録を更新する以前に、最高額記録の常連だったのは、ドイツのゲルハルト・リヒターでした。2012年から2015年にかけて、リヒターはたった一人で、存命画家作品の最高落札記録を更新し続けました。
現代美術界におけるその人気は圧倒的で、現役画家であるにもかかわらずドイツで伝記映画『Never look away』が制作されたほどです。同作品は2019年の第91回アカデミー賞外国語映画賞と撮影賞にノミネートされ、2020年の日本公開も予定されています。
それに合わせたのかわかりませんが、ドキュメンタリー映画『ゲルハルト・リヒター ペインティング』の日本版DVDもこの1月に発売になりました。
リヒターの作品には、スーパーリアリズムの具象絵画と、幾何学模様の抽象絵画、そして絵具をぶちまけたような現代アートという揺れ幅があります。
子どもの落書きのような絵を描くピカソが、実は非常にデッサン力のある画家だという事実はよく知られていますが、その線で言えば、リヒターほど写実的な表現がうまく、それなのに写実性を平気でぶちこわす画家は他にいないかもしれません。
常に絵画表現を突き詰めて考えるその姿勢は、他の画家からの尊敬も集めています。
そんなリヒターの絵をアルバム・ジャケットに使ったのは、アメリカのインディーズ・ロックバンドのソニック・ユースです。
描き下ろしではなく、リヒターが1983年に描いた作品≪ロウソク≫を、二次使用したものです。
ソニック・ユースもまた、ギターロックの限界に挑む音楽性で、数多くのフォロワーを持つバンドでした。
リヒターの絵を使った1988年のアルバム『デイドリーム・ネイション』は名盤との評価が高く、バンドをメジャー・レーベルとの契約に導きました。

 

 

 

反体制ロックと反体制アートの親和性

Sonic Youth『Sonic Nurse』
2004年(リチャード・プリンス)

ソニック・ユースは2004年のアルバム『ソニック・ナース』でも現代アートの作品をジャケットに使用して話題になりました。
使われたのはリチャード・プリンスの作品≪看護師≫シリーズです。
リチャード・プリンスは、商業広告や商業書籍などの上に絵具を塗りたくって、自身の作品として提出する、ストリートアートの文脈にいる現代アーティストです。
彼の≪看護師≫シリーズは、新聞スタンドなどで売られる安っぽいロマンス小説の表紙を利用して、その上から絵具を塗ったものです。本の表紙に描かれていた女性はすべて、マスクをした看護師の扮装に変えられました。
これだけであれば、リチャード・プリンスの名前は、反権威的な現代アーティストの一人としてしか残らなかったでしょう。
驚くべきは、この≪看護師≫シリーズの一つが、2008年にロンドンのサザビーズで、約9億円で落札されたことです。
その理由の一つは、ルイ・ヴィトンが2008年の春夏コレクションで、リチャード・プリンスをオマージュして、マスクをつけたナースルックを発表したことでしょう。
当時のルイ・ヴィトンのデザイナーは現代アート好きのマーク・ジェイコブスで、前年には村上隆とコラボレートしたバッグも発表していました。
ソニック・ユースが、≪看護師≫シリーズをアルバム・ジャケットに使用したのは2004年のことです。当時のリチャード・プリンスは、まだ知る人ぞ知るアーティストにすぎませんでしたから、先見の明が光ります。

 

 

レコード・ジャケットの概念を覆す逸品

TAKING HEADS『Speaking In Tongues』初回盤
1983年(ロバート・ラウシェンバーグ)

ソニック・ユースとは異なり、商業的にも大成功したのが、アメリカのロックバンド、トーキング・ヘッズです。
このバンド名は直訳すると「喋る頭」ですが、この「喋る頭」とはテレビ画面における顔のアップを意味します。メンバーのほとんどがアメリカ最高の美術大学と言われるロードアイランド・スクール・オブ・デザインの出身で、アートの雰囲気を持っていました。当初のバンド名は「アーティスティック」だったくらいです。
美術大学の学生バンドとしてスタートしたトーキング・ヘッズですが、1977年にレコード・デビューすると、あふれる創作意欲で毎年アルバムを発表し、ニューヨークのニューウェイブとして人気が出ました。
1983年のアルバム『スピーキング・イン・タンズ』(異言で話す)は、5作目のスタジオ・アルバムで、トップテンヒットのシングル曲も輩出し、バンド初のミリオン・セラーとなりました。
このアルバムのジャケットデザインを依頼されたのが、現代アーティストのロバート・ラウシェンバーグです。

 

TAKING HEADS『Speaking In Tongues』通常盤
1983年(デヴィッド・バーン)

ラウシェンバーグは、ありふれたデザインにはしたくないと透明なジャケットに透明なレコードを封入し、その上下にコラージュ写真を印刷した透明なプラスチックの円盤を配しました。
円盤は全部で3枚あって、それぞれの印刷色は赤と黄色と青に分かれています。これらが重なることで、緑や紫が表れるような凝った仕掛けです。
このジャケットデザインで、ラウシェンバーグは音楽業界のグラミー賞を受賞しました。
しかし、あまりにもコストのかかるデザインであったため、ラウシェンバーグのジャケットは初回盤のみの限定となり、通常版はボーカリストのデヴィッド・バーン自身によるアフリカン・デザインに変更されました。

 

トーキング・ヘッズから派生したトム・トム・クラブ

Tom Tom Club『Tom Tom Club』
1981年(ジェームス・リジィ)

ロックバンドではどうしても歌を歌っているボーカリストが目立ってしまうものですが、バックで音をささえるメンバーがいなければ歌の魅力も引き立ちません。
トーキング・ヘッズはもともと、ボーカル&ギターのデヴィッド・バーンと、ドラムのクリス・フランツと、ベースのティナ・ウェイマスとの3人が同じ美大に通っていて、スリーピースの学生バンドとして誕生しました。
ドラムのクリスとベースのティナは後に結婚するほど仲が良く、このリズム・セクションの2人が中心となって立ち上げたのが、サブ・プロジェクトのトム・トム・クラブです。
ティナがベースを弾きながらボーカルをとるトム・トム・クラブは、ダンサブルなサウンドで人気がありました。
このトム・トム・クラブが、1981年のファースト・アルバム『おしゃべり魔女(Tom Tom Club)』のジャケットデザインに起用したのが、当時まだ30歳だった若手アーティストのジェームス・リジィです。
リジィは、シングルカットされた楽曲「おしゃべり魔女(Wordy Rappinghood)」のミュージックビデオのアニメーションも担当しました。
トム・トム・クラブのジャケット・アートは、リジィのアートの知名度を高めることに大きく貢献しました。

 

裏面中央のTOM TOMの2番目のMの上に
JAMES RIZZIのサインが見える。

それにしても、印刷とはいえ好きな画家の作品が安価に入手できて、そのうえレコードまでついてくるなんて、当時の音楽ファンは恵まれています。
90年代になるとCDの時代になってジャケットが小さくなってしまい、デザインを鑑賞する楽しみも少なくなってしまいました。
今はもうネットで音源を買う時代ですから、ジャケット・アートという言葉すら、そのうち消えてしまうかもしれません。

 

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