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美術史に位置するシェパード・フェアリー

シェパード・フェアリーを理解する2つのキーワードは政治と音楽です。
バラク・オバマやアウンサン・スーチーやネルソン・マンデラなど多くの政治家を応援し、ホームレスやLGBTなどのマイノリティに対する支援も行っています。
一方で、有名なレコードコレクターでありDJも行うフェアリーは、「アートよりも音楽に影響を受けた。特にパンクロックやラップのような反抗的な音楽に」と語っています。
シェパード・フェアリーにとって政治と音楽は切っても切り離せない存在です。

 

 

架空のレコードジャケット展

Tom Petty & The Heartbreakers
『Live Anthology』2009年(シェパード・フェアリー)

2006年以降のシェパード・フェアリーの作品には、12インチのレコードジャケットの大きさをしたものが数多くあります。
これはレコードカバーに対するフェアリーの偏愛を象徴するもので、好きなミュージシャンの肖像画を描いたり、架空のレコードのアルバムジャケットを作ったりして、それらの作品を集めた個展をこれまでに何度も開いてきました。
2011年のRevolutions展、2012年のSound & Vision展、そして2014年の50 Shades of Black展です。
会場の一角には、フェアリーのレコードコレクションを並べたレコード店を模したインスタレーションが展示され、観客はそこで自由にレコードを選んでプレーヤーにかけることで作品に参加できるようになっていました。
フェアリーは音楽について「挑発的で説得力のある社会的メッセージを提供しながら快楽ももたらすことができる民主的なメディア」と解説しています。
「幅広い人々と直接的につながること」「政治的なメッセージを楽しく伝えること」は、シェパード・フェアリーがストリートアートで目指していることとまったく同じです。
つまりフェアリーは、音楽をアートによって表現しているとも言えます。
2度目のレコードジャケット展の名前であるSound &Visionは、ミュージシャンでありヴィジュアルアーティストでもあったデヴィッド・ボウイの曲のタイトルに由来していますが、美術家でありDJでもあるシェパード・フェアリーのスタイルをも表現しています。
フェアリーは次のように語っています。
「音楽そのものとかかわりがあるアルバムカバーへのぼくの愛情が、ぼくの人生にとって重要だった音楽とぼく自身のアートを組み合わせたレコードカバーを作らせるんだ。正方形のフォーマットの上で、一目で音楽とかかわりがあることをわからせつつ、それがシェパード・フェアリーのスタイルの一つになっているという挑戦を楽しんでいる。ぼくの想像を超えた出来事も起きた。ぼくが作った偽物のアルバムカバーのスタイルで、本物のアルバムカバーを作りたいってミュージシャンのトム・ペティからオファーがあったんだ」
それは実際に発売されて、ファンからも好評でした。

 

 

美術の伝統を意識するフェアリー

シェパード・フェアリーの手法は、数々の先人の業績の上に成り立っています。
ニュートンが自らの業績を「巨人の肩の上に立ったから遠くまで見渡せた」と表現したように、科学でも芸術でも過去の成果の積み重ねを無視することができません。
たとえば、権力や権威の価値を認めず、無意味の力でもって対抗する姿勢には、マルセル・デュシャン以降の現代アートの流れを強く感じます。
また、シェパード・フェアリーは、ロックバンドの史上ランキングでベスト3に入る伝説のバンド、レッド・ツェッペリンのジャケットもデザインしていますが、赤や黒などの強い色を多用するゴシック体のデザインは、ロシア構成主義の作家アレクサンドル・ロトチェンコのデザインを彷彿とさせます。

 

Led Zeppelin『Mothership』
2007年(シェパード・フェアリー)

「ロシアのプロパガンダ・ポスター」
1924年(アレクサンドル・ロトチェンコ)

 

≪War is over≫2007年
(シェパード・フェアリー)翠波画廊で販売中

なお、ツェッペリン(Zeppelin)とはドイツ語で硬式飛行船を意味します。シェパード・フェアリーのデザインしたレコードジャケットの表紙に飛行船「Mothership」が描かれているのはそのためです。
この飛行船のモチーフは、後にブッシュ政権のはじめたイラク戦争を揶揄する絵画≪War is over≫でも使われました。
戦争が終わったら(War is over)イラクは壊滅状態になり、そこにアメリカ資本で新しいインフラが建設されることを暗示したものと思います。

 

≪OBEY GIANT≫1994年
(シェパード・フェアリー)
Consolidated『Business of Punishment』
1994年(バーバラ・クルーガー)

また、「OBEY」のステッカーなどに見られる赤地に白抜きの文字や政治的なメッセージは、ストリートアーティストの先輩であるバーバラ・クルーガーの一連の作品を想起させます。

 

ウォーホルとフェアリーの共通点

版画≪Nico≫2010年
(シェパード・フェアリー)翠波画廊で販売中

シェパード・フェアリー自身も、先人からの影響を隠してはいません。
セレブの肖像画をアイコンとして使用し、見る人に強い印象を残す手法は、アンディ・ウォーホルから受け継いだものです。
現在、翠波画廊で販売中のシェパード・フェアリーの版画≪Nico≫は、アンディ・ウォーホルが1960年代にプロデュースしたバンド、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのファースト・アルバムに参加させた女性歌手ニコの肖像画です。
これも、シェパード・フェアリーの音楽への偏愛を示しています。
10代の頃から180cmの長身を活かしてモデルとして活動していたニコは、1960年のイタリア映画フェリーニの『甘い生活』に端役で出演した後、1963年のフランス映画『STRIP-TEASE』で主演。さらに1965年にはイギリスで歌手デビューし、次はアメリカに渡ってアンディ・ウォーホルの実験映画に出演するなど、成功を求めて何度もフィールドを変えて挑戦を繰り返しました。

 

映画『Chelsea Girls』
1966年(アンディ・ウォーホル)

1967年にはアンディ・ウォーホルの推薦でヴェルヴェット・アンダーグラウンドのファースト・アルバムに参加して4曲を歌いますが、すぐに離脱して単独でデビューアルバム『チェルシー・ガール』をリリースします。このアルバムのタイトルは、ニコが主演したウォーホルの映画『チェルシー・ガールズ』から取られました。
デビューアルバムに曲を提供したのは、ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのルー・リードとジョン・ケイルのほか、後にノーベル文学賞を受賞するボブ・ディランや、イーグルスに曲を提供するジャクソン・ブラウンなど錚々たるメンバーです。
ウォーホルをはじめとして、ニコの周囲にはいつも才能あふれる人々が集まっていました。

音楽『Chelsea Girl』
1967年(Nico)

 

私生活でも、ボブ・ディランをはじめ、ローリング・ストーンズのブライアン・ジョーンズやドアーズのジム・モリソンと交際していたと噂されるニコは、フランスの俳優アラン・ドロンとの間には子どもまで産んでいました。
ポップ・アイコンとしてのニコのイメージは、アンディ・ウォーホルと切り離せないもので、ニコの肖像画はシェパード・フェアリーからアンディ・ウォーホルへのオマージュとも言えるでしょう。
ウォーホルもまた≪神話:スター≫などで、その顔と眼力で金を稼ぐことができる現代のスターを強烈に表現しています。

 

 

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