日本の学校で美術の授業と言うと絵を描いたり、工作をしたりと制作に重きが置かれています。しかし、それではものを作ることが苦手な子はアートが嫌いになってしまいかねません。
一方、フランスの学校での授業は、アートは難しいものではなく自分が感じたままを素直な気持ちになって鑑賞すればいいのですよ、とアートの楽しさを教える教育をしています。

フランスの美術教育は「遊び力」に満ちている

シルヴィ・マルセル「プロヴァンスの画家」

以前、フランスで小学校の先生をしていた画家と話す機会があり、フランスの美術教育について教えていただきました。
フランスでは小学校まで美術の成績は付けないそうです。
そして、授業では実際に美術館へ行って絵を見ながら、どう感じたかを話し合ったり、その絵を見て思ったことを自分だったらどんなふうに表現するか、それを絵にしてみましょうと言って絵を描かせたりするのだそうです。
そのような授業を通して、アートに興味を持ってもらうこと、そして何よりアートを好きになってもらうことを目的とした教育が行われているのです。

フランスに限らず、ヨーロッパでは、子どものうちから芸術に触れる機会を増やす教育がされています。
なぜならば、「芸術に触れて素直に感動できる気持ちが育まれれば、人生は豊かになる」という教養主義の考え方があるからです。

子どもの感動する心を養う

アートに魅了され、合理性を考えずに、感性でその世界の素晴らしさに耽ることを子供の頃から習慣的に行っていれば、物事に素直に感動する心を養うことができ、大人になっても感動することのできる豊かな心をもつことができるのです。
だからこそ、子どものうちにアートに触れ、アートで感動する心を養うことは、豊かな人生を送る上で非常に重要です。
そのためにも親が子供と美術館に行って一緒にアートに親しむことや日常の生活空間にアートを飾って楽しむことはとても大切なことです。
そんなちょっとした習慣によって子供のうちからアートに親しむことで、無意識のうちに美意識や感性などが養われるはずです。
感受性が豊かな子どもには、過剰に絵画の説明をする必要はなく、日々の暮らしの中で絵画に触れていることで、知らず知らずのうちに、たくさんの恩恵を受けることができるのです。

翠波画廊ではアートのある暮らしをご提案しています

一枚の絵画がもたらしてくれる憩いのひと時を

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