草間彌生のオークション落札価格ランキングトップ12!(2024年11月改訂版)
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2023年、草間彌生とルイ・ヴィトンのコラボレーション・キャンペーンが世界を席巻しています。
パリのシャンゼリゼ通りにはビルよりも背が高い草間彌生人形が出現し、ニューヨーク、ロンドン、東京のルイ・ヴィトン店舗のウィンドウディスプレイでは、草間彌生を模したヒューマノイドロボットが水玉を描くパフォーマンスを行っています。
新宿のビルボードには3Dアートの草間彌生も現れました。
今回は、毎年のように記録更新する草間彌生のオークション落札価格ランキングを紹介します。
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1.草間彌生《A Flower》2014年(出典:Christie’s)約15億1700万円(2023年)
草間彌生の史上最高額作品は、2023年にクリスティーズ香港で約1000万ドル(約15億1700万円)で落札された《A Flower》(2014年)です。
紫色のダリアがオレンジ色のキャンバスに生き生きと咲き誇り、生命力とダイナミズムを放っている作品です。
草間彌生の作品は「無限の網」と「かぼちゃ」が有名ですが、それ以外の作品でも高額落札されたことで、幅広い人気を確実につかんでいることがわかってきます。
イギリスの保険会社ヒスコックスのレポートによれば、現代アート作家の2023年のオークション売上で、草間彌生が8090万ドル(約122億8000万円)で首位でした。
ちなみに、2位はデヴィッド・ホックニーで5030万ドル(約76億3000万円)、3位は奈良美智で3600万ドル(約54億6000万円)でした。
草間彌生の躍進は女性アーティストの地位向上と無関係ではありません。オークションで取り扱われる女性の現代アーティストの数は、2019年は261人でしたが、2023年には728人へと増加しました。
2023年の現代アートの売上に占める女性作家の割合は32%となりました。
2.草間彌生《Untitled (Nets)》1959年(出典:Phillips)約13億5000万円(2022年)
2位の作品は、2022年にフィリップス・ニューヨークにて1050万米ドルで落札された油彩キャンバス《無題(網)》です。
この作品は「無限の網」シリーズ最初期のもので、事前見積価格の倍以上で落札されて草間彌生のオークションレコードとなりました。
2022年の草間彌生はオークション売上高の総計で、存命アーティストとしてはゲルハルト・リヒターに次ぐ2位となり、史上最も成功した女性画家となりました。
2022年にオークションで販売された草間彌生作品の数は900点以上にのぼり、そのうち半数(46%)はシルクスクリーンなどの版画でした。
3.草間彌生《Pumpkin (L)》2014年(出典:Sotheby’s)約10億5000万円(2023年)
2023年4月5日に香港で行われたサザビーズのオークションに、草間彌生の作品5点が出品され、合計2290万ドル(約30億円)を売り上げました。
そのうち、草間のスタジオが2014年に制作したブロンズ製の特大カボチャの彫刻《Pumpkin(L)》は、6264万香港ドル(約10億5000万円)で落札されました。
これは日本人作家による彫刻の落札価格の新記録となりました。
草間彌生のかぼちゃでは、絵よりも彫刻のほうが相対的に高額になることが多いです。
4.草間彌生《Flowers》2015年(出典:Christie’s)約10億3000万円(2023年)
《Flowers》(2015年)は、草間のアイコンであるカボチャのモチーフから離れ、花を描いた作品です。
花のひとつひとつが茎から切り離されたように見え、独特の魅力を持っています。
クリスティーズ香港のオークションでデビューを飾ったこの稀少な作品は、草間の最も人気の高い作品のひとつとしての地位を確立しました。
5.草間彌生《Pumpkin (M)》2014年(出典:Sotheby’s)約10億2000万円(2022年)
Pumpkin (M) (2014)は、草間のブロンズ製カボチャ彫刻の中で2番目に大きなシリーズのひとつです。
エディション8/8として、この作品はサザビーズ・ニューヨークのオークションでデビューし、一般市場で2番目に高く売れたブロンズのカボチャ作品となりました。
今やトレードマークともなったカボチャを草間彌生がはじめて描いたのは10代の頃でした。現在の作風とは異なり、日本画の技法を用いてリアリズムで描いたものです。その後も描いていたそうですが、渡米を機に抽象的な作風に転換したため、かぼちゃの絵を描くことはなくなります。
草間彌生が再びカボチャを描くようになったのは日本に帰国してしばらく経ってからです。
自伝『無限の網』では「私がカボチャに造形的興味を受けたのは、その太っ腹の飾らぬ容貌なのだ。そして、たくましい精神的力強さだった」と記しています。
6.草間彌生《Pumpkin》1995年(出典:Phillips)約9億5200万円(2023年)
2023年は、草間彌生のカボチャがオークションで大人気でした。この作品は3200万香港ドルからスタートしましたが、すぐに複数の入札者から関心を集め、手数料込5610万香港ドル(約720万米ドル)で落札されました。
この作品は、23年間所有していたコレクターのカレン&ロバート・ダンカン夫妻から、米国アイオワ州クラリンダにあるクラリンダ・カーネギー美術館に寄贈され、そこから市場に出てきました。この売却益は、国際社会に芸術を広めるという美術館の使命に貢献するとともに、地元の芸術と青少年プログラムを支援することになっています。
7.草間彌生《Infinity Nets (TWHOQ)》2006年(出典:Christie’s)約9億4000万円(2022年)
輝く金色の背景に無数の「無限の網」を配したもので、草間はキャリアを通じてこのテーマを繰り返しました。
彼女は「無限の網」シリーズの制作意図について「私は網にとりつかれている。網は私を覆って首を絞めている。網は私を魅了し悩ましている」と語っています。
この作品は、2022年11月にクリスティーズで2度目のオークションに出品され、2019年の初回販売価格の倍を記録しました。
8.草間彌生《A-Pumpkin (BAGN8)》2011年(出典:Sotheby’s)約9億2000万円(2023年)
2023年4月5日には、黒い水玉模様のカボチャの絵画《A-Pumpkin(BAGN8)》にも、5517万香港ドル(約9億2000万円)の高値がつきました。
草間彌生のかぼちゃが有名になったきっかけは、1993年のヴェネツィア・ビエンナーレに出品した「鏡の間(かぼちゃ)」です。
四方八方が鏡張りのミラールームは草間彌生の人気インスタ―レーションです。このときは数千個の小さなかぼちゃの彫刻を中に配して、無限にかぼちゃが増殖する部屋を作りました。
草間彌生は幼い頃に実家の花畑で見渡す限りの花々に囲まれて「花に消される」という感覚を持ちました。草間が「鏡の間」で表現しようとしているのは、その感覚なのでしょう。
9.草間彌生《Pumpkin》2013年(出典:Christie’s)約9億900万円(2021年)
草間彌生の作品で有名なのは、渡米初期の「無限の網」と、渡米中に考案したインスタレーション「無限の鏡の間」、そして日本帰国後の「かぼちゃ」です。
2013年の《かぼちゃ》は背景に網目模様、かぼちゃの中には水玉模様と、草間彌生の好むモチーフをふんだんにとりいれた人気の作品です。
2021年12月にクリスティーズ香港にて6254万香港ドルで落札されて、当時の草間彌生のオークションレコードとなりました。
草間彌生のかぼちゃを見ると、それぞれのかたちが大きく違っていることに気づきます。
同じモチーフを用いつつも、一つひとつをしっかりと丁寧に描く作者のこだわりが、模写のようなコピーを許さないのでしょう。
自伝『水玉の履歴書』には「南瓜は私の人生の伴侶です」という記述があります。小学生の頃に祖父の畑でかぼちゃに魅せられて以来、ずっと草間彌生の心から離れない大切なモチーフなのでしょう。
10.草間彌生《Interminable Net No.4》1959年(出典:Sotheby’s)約8億8100万円(2019年)
1959年の《終わりのない網 No.4》も「無限の網」シリーズの一つです。このシリーズは、渡米した草間が、飛行機の窓から見えた海上の波が延々と広がっていく様子にインスピレーションを得て制作したものです。
2019年4月にサザビーズ香港にて6243万香港ドルで落札されて、当時の草間彌生のオークションレコードとなりました。
11.草間彌生《No. Red B》1960年(出典:Sotheby’s)約8億4500万円(2015年)
《No. Red B》も「無限の網」シリーズの一つですが、白の網目模様の作品が多い中で、ヴィヴィッドな赤が印象的です。
草間はこの「無限の網」について、「宇宙は無に満ちていて、水に落ちる雫のように、永遠に膨張して、永遠に自壊し続ける」と独特の言葉で語っています。
2015年10月にサザビーズ香港にて5452万香港ドルで落札されました。相場が円高に振れていたこともあって、当時の草間彌生のオークションレコードとなりました。
12.草間彌生《White No.28》1960年(出典:Christie’s)約8億2300万円(2014年)
《White No.28》も「無限の網」シリーズの一つです。
「無限の網」は草間彌生が苦しめられた強迫神経症から生まれたと考えられています。
2014年11月にクリスティーズ・ニューヨークにて711万米ドルで落札されて、当時の草間彌生のオークションレコードとなりました。
それまではゆっくりと右肩あがりを続けていた草間彌生の価格が急激に上昇し始めたのはこの2014年からです。
次点.草間彌生《Pumpkin》2017年(出典:Christie’s)約8億600万円(2021年)
草間彌生といえば二次元の絵画がイメージされますが、実はオークション売上の15%はかぼちゃなど三次元の立体作品からあがっています。
この彫刻《かぼちゃ》は、高さ180cm、幅180cmと、たいていの人間よりも大きく、表面に規則的に描かれた水玉模様が見る者を幻惑します。「無限の鏡の間」と同じく、観客の空間認識と現実感覚をゆさぶる効果があるのです。
この作品は2021年にクリスティーズ香港にて5545万香港ドルで落札されて、当時の草間彌生の彫刻作品のオークションレコードとなりました。
草間彌生のオークション落札額ランキング(2024年11月現在)
1.《A Flower》2014年:約15億1700万円(2023年)花
2.《Untitled (Nets)》1959年:約13億5000万円(2022年)網
3.《Pumpkin (L)》2014年:約10億5000万円(2023年)南瓜(彫刻)
4.《Flowers》2015年:約10億3000万円(2023年)花
5.《Pumpkin (M)》2014年約10億2000万円(2022年)南瓜(彫刻)
6.《Pumpkin》1995年:約9億5200万円(2023年)南瓜
7.《Infinity Nets (TWHOQ)》2006年(出典:Christie’s)約9億4000万円(2022年)網
8.《A-Pumpkin (BAGN8)》2011年:約9億2000万円(2023年)南瓜
9.《Pumpkin》2013年:約9億900万円(2021年)南瓜
10.《Interminable Net No.4》1959年:約8億8100万円(2019年)網
11.《No. Red B》1960年:約8億4500万円(2015年)網
12.《White No.28》1960年:約8億2300万円(2014年)網
次点.《Pumpkin》2017年:約8億600万円(2021年)南瓜(彫刻)
ドル換算やポンド換算では当時の為替差で順位が入れ替わることがあります。
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