資産運用コンサルタント
林敬一氏のコラム

Vol.4 絵画と資産運用 その1

2014/05/14

紹介プロフィールにもありますように、私は普段は資産運用のコンサルタントとして本を書いたり講演をしたり運用アドバイスをしたりしています。そこで今回から何回かのシリーズで「絵画と資産運用」をテーマに書いてみたいと思います。

「資産運用」と聞いてちょっと胡散臭さを感じる方がいらっしゃれば、あなたはとても健全な方です(笑)。「絵画への投資」という言葉も同じ様に胡散臭さが漂う世界かもしれません。資産運用のコンサルタントが信用されるには、まず胡散臭ささを払拭する必要がありますのでそこからスタートしましょう。

私のお薦めする投資は世界標準の超安全投資で、巷によくある「儲け話」のたぐいではありません。100を投資して金利だけをもらい、最後に100が償還(満期返済)されるだけの債券投資です。その内容で経済誌を出版するダイヤモンド社に原稿を持ち込んだところ、すぐに興味を示し本を出版してくれました。ダイヤモンド社が付けたタイトルは「証券会社が売りたがらない、米国債を買え」という長たらしく、刺激的なものです。世界標準の超安全投資とは、アメリカの長期国債に投資をして満期を迎えるまで持ち切るという単純なもので、それ以外の株式投資や為替投資、そして投資信託など、シロウトが試みても負けるか証券会社のエジキになるだけなのでやめておきなさいと書いてあります。「投資の極意」だとか、「絶対に儲かる投資法」などという胡散臭い言葉は一切書かれていません。(注)

とまあ、私はリスクの非常に少ない投資だけをお薦めし、決して胡散臭い者ではありません(笑)。

では本題です。絵画が資産運用の対象としてどの程度市民権を得ているのかを見ることから始めます。まず日本の状況から。

私自身は一般論として「日本では絵画はほとんど投資対象としてみられてはいないが、欧米では結構まじめに投資対象と考えられている」と思っています。それが正しいかどうか確認してみます。こうしたことを探る時に便利なのはGoogleによる検索です。日本語で「資産運用 絵画」と2つのキーワードをインプットすると、結果は2010年以降に書かれた記事は全く出てきませんでした。それ以前でもまともに資産運用について論じているものはたった一つだけで、それはAmazonの書籍販売のページにある「絵画投資―究極の資産運用」という本の紹介サイトでした。その本はかなり古い本で私も読んでいますが、1990年12月に出版されています。バブルの頂点で書かれた本ですので、内容は推して知るべしです。

ではもう少し検索範囲を拡げる意味で「絵画」ではなく「資産運用 アート」とインプットするとどうでしょう。なんとまずトップに出てきたのは、私が自分のブログで読者の方にエッセイを書くことをお知らせした記事「資産運用とアート、エッセイのお知らせ」でした。そのあとを見て行くと、たった一つ有効なサイトが出てきました。それは証券会社であるSBIホールディングスによる「資産運用、ライフプラン」というサイトです。

そこはSBIホールディングの子会社であるSBIアートフォリオ社の紹介サイトで、内容には「美術品を資産ポートフォリオに組み込むことで、リスク分散の観点からも資産運用のより一層の効率化を図れると考え、美術品の仲介・販売、展示販売を行っています。」と書かれています。私の調べた範囲では、日本ではこのサイトが唯一まともに絵画と資産運用を扱ったサイトでした。

このサイトの内容は後に回して、海外ではどうなっているのかを探るため英語での検索を試みます。インプットした言葉は「asset management と art」です。すると出てくるは出てくるは、なんと2,300万件がヒット。しかも内容的にもプライベート・バンクの資産運用サイトからはじまり、アートを投資対象にしたファンドやアート専門の資産運用アドバイザー会社のサイトまで有効とおぼしきサイトが目白押しです。ちなみに日本語では49万件ですがほとんどが単なる「資産運用」か単なる「アート」の話だけで、有効サイトは先の1件だけでした。

というわけで、日本では「絵画と資産運用」はほとんど関連がなく、一般的に認知もされていないのですが、欧米ではしっかりと市民権を得ていることが一目瞭然となりました。

では我々日本人はこの事実をどう捉えたらよいのでしょう。

投資の専門家として長い経験を積んだ者から言えば、投資とは「人のゆく裏に道あり花の山」ということで、注目されていないからこそ、注目してみる価値ありとなります。

果たしてそのとおりか否か、これからゆっくりみなさんと共にこのテーマについて考えてみましょう。

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