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バンクシーとイスラエルとパレスチナの関係
~ベツレヘムの壁画に込めた思い

2023年10月7日、パレスチナのガザ地区を実効支配する政治組織ハマスが、敵対する隣国イスラエルに軍事侵攻し、1000人以上を殺害し約200人の人質を取る事件が起きました。イスラエルはすぐさまガザ地区に報復の空爆を開始し、2000人以上を殺害しました。
ハマスとイスラエルとの間にはこれまでにも何度も事件が起きています。
近いところでは2021年5月10日にも、ユダヤ人国家イスラエルと、イスラム組織ハマスとの間で武力衝突が起きています。
東エルサレムでイスラエル人が土地収用を行って、パレスチナ人世帯が立ち退きを求められた問題に対して抗議運動が起き、それを取り締まるためにイスラエル治安当局がイスラム教徒の礼拝所アルアクサ・モスクで、催涙ガスや閃光弾を使ったことが発端です。
イスラエル治安当局のアルアクサ・モスクからの撤退を求めたハマスは、イスラエル側に向けてロケット弾を発射し、イスラエルもガザ地区のハマスの拠点などを空爆して報復し、お互いに暴力がエスカレートしました。
21日の停戦までに、パレスチナでは子ども66人を含む243人の犠牲者が、イスラエル側にも子ども2人を含む12人の死者が出たそうです。
このようなイスラエルとパレスチナの対立に深い関心を寄せているのが、ストリートアーティストのバンクシーです。
実はバンクシーは、エルサレムの南方9kmにあるパレスチナの都市ベツレヘムを過去に何度も訪れて、作品を残しているのです。

 

ベツレヘムの壁に絵を描くバンクシー

Banksy『Wall and Piece』パルコ 2011年

 

バンクシーが初めてベツレヘムで作品を発表したのは2003年のことです。
ベツレヘムの分離壁に、有名な《Love is in the Air》(愛は空中に)を描きました。
これは手榴弾の代わりに花束を投げるテロリストを描いて平和を訴えるもので、バンクシーのアイコンとして非常に有名です。
2011年に日本語版が出版された自薦作品集『Wall and Piece』(壁と平和)の表紙も《Love is in the Air》でした。
ちなみに、2021年5月12日のサザビーズ・オークションでは、《Love is in the Air》のキャンバス作品が約14億円で落札されました。
これは3月にクリスティーズで落札された《Game Changer》の約25億円に次いで、円換算でバンクシー作品歴代2位の高額記録になりました。

緑が国連の定めた分離ラインで、青が分離壁。
パレスチナ領土を侵食するかたちで分離壁が建設されている。

 

ベツレヘムの分離壁とは、4度の中東戦争を経てなおも対立を続けるイスラエルとパレスチナとの間に作られた、全長800キロメートルに及ぶ巨大なコンクリート壁のことです。
分離壁は、かつての冷戦時代のベルリンの壁のように、両者の断絶の象徴となっています。
2002年から壁を作りはじめたのはイスラエル側で、アラブ諸国のテロリストから自国の住民を守るという名目がありました。
しかし、その壁の位置は国連が定めた分離ラインよりもパレスチナ側に寄っており、領土の侵攻として新たな火種となりました。
2003年の国連による非難決議に続き、2004年には国際司法裁判所も違法勧告をしましたが、イスラエルはそれを無視して、今もなお壁の建設を進めています。
2021年5月の武力衝突も、イスラエル人によるパレスチナ人の土地の収奪がきっかけとなりました。
2003年にバンクシーがエルサレムの南にあるベツレヘムの分離壁を訪れて絵を描いたのは、このようなイスラエルの武力行使に抗議する意味がありました。

 

バンクシーを世界的に有名にした絵

イスラエルとパレスチナの分離壁に描かれた
「風船を持った少女」

 

バンクシーのパレスチナへの関心は深く、旅は一度にとどまりませんでした。
2年後の2005年にもパレスチナを訪れて、分離壁にいくつかの作品を残しました。
その一つが、バンクシー作品にたびたび登場する《Girl With Balloon》(風船を持った少女)です。
数多くの風船を持った少女が宙に浮いていく絵は、壁の撤去と移動の自由を求める住民の願いを反映したものです。
絵柄こそ異なりますが、オークション落札直後のシュレッダー事件で有名になった《Love is in the Bin》(愛はごみ箱の中に)も、元の題名は《Girl With Balloon》(風船を持った少女)でした。
2005年のバンクシーによる分離壁へのストリートアートは、世界中のニュースにとりあげられました。
イスラエルとパレスチナの問題に知識人が関心を持っているところに、それをわかりやすくデフォルメして、大衆に広めてくれる格好の素材がバンクシーのアートでした。
監視塔のイスラエル兵に狙撃される危険を冒しながら描いたとバンクシー自身が宣伝したことでも話題になりました。
イギリスのローカルアーティストだったバンクシーが、政治的なメッセージを発するストリートアーティストとして、世界的に有名になったのはこれがきっかけです。

 

 

翠波画廊では、2021年5月29日(土)~6月12日(土)まで現代アート展を開催しています。バンクシーをはじめ、ウォーホル、カウズ、キース・ヘリングなどを揃えているのでぜひお立ち寄りください。

「現代アート展」詳しくはこちら >>

 

 

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