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以前の記事「画家のキャリアは何歳がピークなのか?」で、1915年にキューバに生まれて2017年に102歳を迎えた現役画家のカルメン・ヘレラさんを紹介しましたが、実は、日本にはもっと高齢の画家がいます。
年始なので、今年も良い年を迎えられますように、今回は100歳越えのめでたい長寿画家を5人取り上げました。
最初の一人は、残念ながら昨2017年にご逝去されましたが、享年113歳の女性画家、後藤はつのさんです。1903年生まれの後藤さんは、抽象表現主義の大家マーク・ロスコと同い年でした。
後藤さんは、1976年、なんと73歳からカルチャースクールで絵を習い始め、82歳で現代童画展新人賞を受賞、96歳で現代童画展文部大臣奨励賞を受賞するなどの活躍をされました。その絵は当時、東京藝大の学長だった平山郁夫さんからも称賛されたほどです。定年退職まで絵を描いたことがなくても、うまくなれるものなのですね。
99歳のときに「描きたいものが描けなくなった」と筆を置いたものの、じわじわと評判が広がり、102歳で銀座での初個展開催となりました。
2015年には著書『111歳、いつでも今から:73歳から画家デビュー、100歳超えてニューヨークへ……笑顔のスーパーレディの絵とエッセイ』(河出書房新社)を上梓。多くの人に夢と希望を与えました。
世界各国の平均寿命ランキングを見るとわかるように、日本は健康と長寿の国です。
2016年の日本人の平均寿命は女性が87.14歳で世界2位、男性が80.98歳で同じく世界2位でした。ちなみにどちらも1位は香港ですが、日本との差は女性で0.2歳、男性で0.34歳と、ごくわずかなものです。また、香港は正確には国家ではなく都市ですから、実質的な長寿第一位は日本になるでしょう。
ちなみに、どの国においても平均寿命は女性のほうが男性よりも6歳くらい長命となっています。これは生物学的な差で、女性は男性よりも確実に長生きなのだと考えられています。
しかし、長寿の画家は女性ばかりではありません。
2015年に亡くなった豊田三郎さんは、1908年生まれで享年107歳。男性としては異例に長命の画家でした。
豊田さんは福井県生まれで、地元の農林高校を卒業後、家業の農業に携わっていましたが、大好きな絵を諦められず、25歳で一念発起して帝国美術学校(現・武蔵野美術大学)に入学します。卒業後は福井県に戻って中学校の美術教員になりました。
60歳で教員を定年退職後も農業に従事した豊田さんが画業に専念するようになったのは74歳の頃からですが、1989年にはフランスのサロン・ド・パリ展で大賞を受賞するなど高く評価されました。
現在、豊田さんの絵は、生まれ故郷の福井市にある入場無料の「豊田三郎記念ギャラリー」で見ることができます。
翠波画廊取り扱い作家の中では、小倉遊亀さんも100歳越えの長寿画家です。彼女は1895年生まれで、2000年に亡くなったときには105歳でした。

「つかのま」シルクスクリーン
小倉遊亀さんは、女性画家としては上村松園さんに次いで二人目の文化勲章を受章した、日本美術界の功労者です。1990年から1996年にかけて日本美術院理事長を務め、1999年には104歳でパリでの個展を開催するなど、老いてますます盛んな方でした。
女性画家では三人目の文化勲章受章者である片岡球子さんも、享年103歳の長寿でした。片岡さんも、豊田さんと同じく長らく小学校の美術教員を務めていましたが、後に絵が高く評価されるようになってからは母校である女子美術大学で教えるようになりました。1905年生まれの片岡さんは、100歳を超えて脳梗塞に倒れてからも絵筆を握り続けたそうです。

「富士二題:富士―青―」リトグラフ、本金砂子、本プラチナ泥
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ここまでは物故者ばかりでしたが、実は現役で100歳オーバーの画家もいらっしゃいます。それが、翠波画廊でも取り扱っている篠田桃紅さんです。

「炎(軸装・共箱)」リトグラフ(石版画)
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篠田さんは写真家のロバート・キャパと同じ1913年生まれで、2018年3月には105歳を迎えます。
篠田さんは5歳で父親から書を習い、書家としてキャリアをスタートさせます。1956年に渡米して、抽象表現主義絵画が流行していたニューヨークで、文字を離れて墨の抽象画(墨象)を描くようになりました。ちなみに、翌1957年にはあの草間彌生さんが渡米しています。二人の年齢は16歳離れていますが、ニューヨークで出会っていたかもしれません。
1958年に帰国した篠田さんは、以後も世界的な評価を得ていて、近年はエッセイでも有名です。2015年の著書『一〇三歳になってわかったこと 人生は一人でも面白い』(幻冬舎)はベストセラ―になり、続編が次々と刊行されています。
最近は未婚のキャリア女性のロールモデルとして、テレビにも登場されました。
ちなみに、画家にこだわらなければ2018年現在、世界最高齢は鹿児島県に住む田島ナビさんです。田島さんは1900年生まれの117歳とのことです。
また、死去した人も含めれば、ギネスブックに残る人類の長寿記録は122歳だそうです。この記録を持つのは1997年に没したフランスの女性ジャンヌ・カルマンさんです。アルルで生まれてアルルで暮らした彼女は、生前に「昔ゴッホに会ったが、汚くて格好も性格も悪かった」と、素朴な感想を語って話題になりました。100歳を超えた方に言われると、なかなか反論もできません。
医療の進歩で人間の寿命は毎年伸びているそうですが、私たちは何歳まで生きられるのでしょうか。
物故巨匠から現代アーティストまで
翠波画廊では幅広い作品を取り揃えております。
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