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エコール・ド・パリ時代の画家を、どれほど知っていますか?<西欧・北米編>
~パウル・クレーやルネ・マグリットもパリで修行した

20世紀初頭は、パリを中心に芸術が花開いた時代でした。
パリには、各国から有為の若者が集まり、その腕を競っていたのです。いわゆるエコール・ド・パリの時代です。当時は、全世界的に画家に注目が集まっていました。前回に続き、各国にどのような画家がいたのかを見てみましょう。

 

前回はドイツから東欧にかけて、九か国の代表を選びました。

今回は、さまざまな才能が集まるフランスから考えてみましょう。
当時のフランス人画家で最も名声が高かったのは、アンリ・マティス(1869-1954)です。しかし、マティスはやや世代が上になるので、エコール・ド・パリの画家とは考えられていません。同時代人なら、フランス代表はモーリス・ユトリロ(1883-1955)が適当でしょう。
ちなみに後に現代アートで名を馳せるマルセル・デュシャン(1887-1968)も、ユトリロと同世代です。

 

ユトリロ 「幻の村:モンマルトルの小径」 作品詳細 >>

 

次にスペイン代表です。
一般的にはエコール・ド・パリに含まれませんが、同時代にパリで活躍した大画家といえば、 パブロ・ピカソ(1881-1973)をおいて他には考えられません。
ピカソの場合は、成人後はフランスに定住してしまったために、フランスの画家というイメージも強いですが、スペイン代表として誰もが認める画家でしょう。
スペインには他にも ジュアン・ミロ(1893-1983)やサルバドール・ダリ(1904-1989)もいて、選択が難しいところです。

 

ピカソ 「顔No.0」 作品詳細 >>

 

フランスやスペインの場合は、候補者がたくさんいるために意見が分かれますが、満場一致で代表が決まりそうな、巨星の輝く国もいくつかあります。
例えば、スイス代表はパウル・クレー(1879-1940)で決定でしょう。
クレーの場合は、ドイツで活躍した時期が長いのですが、生まれてから18歳までスイスで教育を受けましたし、亡くなったのもスイスです。
このように、人口の少ない国の場合は、候補者が少ないため比較的容易に代表を決めることができます。

 

クレー「セネシオ」

 

ベルギー代表としては、シュルレアリズムの画家として知られる、ルネ・マグリット(1898-1967)が順当でしょう。
マグリットはパリにも出てきましたが、あまり肌が合わなかったのか、3年でブリュッセルに戻って、終生をベルギーで過ごしました。

ここから多少、難しくなります。
ベルギーの隣国、オランダ代表は、知名度や人気から言えば、フィンセント・ファン・ゴッホ(1853-1890)が輝いています。
しかし、エコール・ド・パリの同世代人で言えば、ピエト・モンドリアン(1872-1944)の方が適任です。

 

モンドリアン「赤・青・黄・黒のコンポジション」

 

さらに難しいのがイギリスです。
20世紀初頭の、ベル・エポック(良き時代)や、レ・ザネ・フォル(狂乱の時代)の時代に活躍した有名画家があまり見当たらないのです。原田マハさんが小説の題材に選んだオーブリー・ビアズリー(1872-1898)がモンドリアンと同年生まれですが、25歳で夭折したため20世紀を生きていません。
そこで、日本での知名度はそれほど高くありませんが、キュビスムに影響を受けた抽象絵画のベン・ニコルソン(1894-1982)を推薦したいと思います。

海を渡ってアメリカに移ります。
アメリカも、戦後のコンテンポラリー・アートには人材が多いのですが、19世紀末から20世紀初頭だと、適当な人がなかなか見つかりません。
同時代人だと、エドワード・ホッパー(1882-1967)か、女性画家のジョージア・オキーフ(1887-1986)でしょうか。
ここまでの候補者に女性画家がいなかったので、ここはオキーフにしておきましょう。オキーフは日本の草間彌生の渡米を支援したことでも知られています。
ちなみに、オキーフの夫は写真家のアルフレッド・スティーグリッツで、マルセル・デュシャンの「泉」の写真を撮影したことでも有名です。

次に隣国のカナダです。
カナダには、映画『しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス』で取り上げられた女性画家モード・ルイス(1903-1970)がいます。
しかし、エコール・ド・パリの同世代人としては、パリでも学んだ国民的画家エミリー・カー(1871-1945)が相応しいでしょう。カーも当時としては珍しい女性画家です。

 

カー「グラベル・ピットの上で」

 

女性画家といえば、知名度が高いのはメキシコのフリーダ・カーロ(1907-1954)ですが、彼女は若すぎるので、フランスにも滞在して、エコール・ド・パリともかかわりの深い、カーロの夫ディエゴ・リベラ(1886-1957)をメキシコ代表に選びました。

 

リベラ「花売り」

 

以上、前回に続いて1870~90年代生まれの画家から9か国9人を選抜しました。

フランス代表:モーリス・ユトリロ(1883-1955)
スペイン代表:パブロ・ピカソ(1881-1973)
スイス代表:パウル・クレー(1879-1940)
ベルギー代表:ルネ・マグリット(1898-1967)
オランダ代表:ピエト・モンドリアン(1872-1944)
イギリス代表:ベン・ニコルソン(1894-1982)
アメリカ代表:ジョージア・オキーフ(1887-1986)
カナダ代表:エミリー・カー(1871-1945)
メキシコ代表:ディエゴ・リベラ(1886-1957)

 

 

 


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