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多岐にわたる作品を一挙公開

 

藤田嗣治作品展

 

4月12日(月)~24日(土)
10:00~18:00 日祝休廊
会場:翠波画廊

 

 

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藤田の画業をたどる作品を一堂に

20世紀初頭、芸術の中心パリでの成功を目指し、自身の腕一本で海を渡った画家、藤田嗣治
成功の裏で激動の人生を歩んだ藤田から、今、困難な時代を生きる私たちが学べることが沢山あります。
本展では、藤田の作品を通してその魅力に触れていただきたいと考え、藤田の画業の全貌を巡る作品を約70点、バリエーション豊かに展示販売いたします。

 

藤田嗣治が当時の他の画家と異なる点は、日本で成功するためにパリへ留学する画家がほとんどだった時代に、単なる足掛かりとしての渡仏ではなく、芸術の中心地であるパリで成功を収めることを目指したことです。
1917年にはシェロン画廊との契約、1919年には初出展のサロン・ドートンヌに出品した6点の絵画がすべて入選するという快挙を成し遂げ、のちには会員にも選ばれた藤田。
「乳白色」という自身の画家としての独自性を見出し、1920年代「狂乱の時代」を迎えたパリで、いちやく人気画家としての成功を掴みます。

そんな華々しい活躍の影で、藤田の人生は戦争という時代に大きく左右された人生でもありました。
戦時中には戦争画の制作にも携わりますが、敗戦後、戦争責任をめぐる議論の中で藤田にその批判が向くようになったのです。藤田は1949年に日本を離れると、二度と母国へは戻ることがありませんでした。

 

戦後フランスへと戻ってからは子供や少女、母子像などのモチーフを好んで描き、現在でも人気の高い挿画本のシリーズなどを多数残しました。
晩年には洗礼を受け、礼拝堂のフレスコ画を手掛けるなど、生涯を通して新たな境地へと挑み続けました

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再評価の進む藤田作品、バリエーション豊かにご紹介

困難な時代を経ながらも、画家としての高い志を持ち続けた藤田の生き様。その気概にあふれた作品に、現代にも感銘を受けるファンがたくさんいます。

 

近年、藤田の作品は海外でも再評価の波が高まり、世界のオークションで高額で取引され、益々注目を集めています。2018年10月11日イギリス、ロンドンのオークションでは「La fête d’anniversaire」(誕生日パーティ)が、オークション会社の当初の見積もりよりも5~8倍上昇し、藤田嗣治の作品の中でも最高価格の約10億円で落札されました。

 

本展では、生前に制作したオリジナル版画を中心に、貴重な油彩や君代夫人コレクションの素描、そして藤田が直に絵を描いたお皿やガラス瓶なども特別に展示。
バリエーション豊かな多数の作品をご覧いただけることも大きな見どころです。

 

 

コレクターを魅了する多彩なオリジナル版画

藤田は、版画を自身の作品表現の一つとして重要視した作家でもあります。
1920年代中頃から版画制作にも力を入れ始め、展覧会などに版画を多数出品しています。 版画を技法の一つとして創作に生かしていこうとする意欲と元来の旺盛な好奇心から木版画、銅版画、リトグラフ、ポショワールなど 版画の技法を身に付け自らの表現手段として創作に生かしていった表現者「画家にして版画家」(パントル・グラヴュール)となります。
作品の世界に応じた技法を駆使し当時制作された版画は、現在も多くのコレクターを魅了し続けています。

 

今回の展覧会では、独特の細い線描としなやかな猫の姿を描いた「猫の本」をはじめ、晩年の人気版画「四十雀」「小さな職人」のシリーズも豊富にご覧いただけます。
また、直筆サイン入りの版画も取り揃えております。
さらには普段はお見せする機会がない、当時の挿画本の形態を特別に展示予定。藤田の挿画本制作への理解を深めるきっかけに、ぜひご高覧ください。

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注目作品1 貴重な油彩、素描

本展覧会では、貴重な肉筆の作品から、君代夫人が大切にしていた素描の作品まで、展示いたします。

 

戦後、平和の願いを込めて

本作品が描かれたのは、終戦後に藤田が日本を離れ、アメリカ経由でパリに戻った頃と考えられます。戦争によって人生を大きく左右された藤田ですが、平和への願いを母子像の作品に込めたのかもしれません。
藤田の代名詞である、乳白色の技法で描かれた独特の細い線描と、透き通るような肌。荘厳な美しさを感じていただける作品です。

 

 

 

 

 

画家の気概が受け継がれる素描作品

欧米の画家には負けないという気概をもってデッサンを修練し続けた藤田。素描作品のタッチからは画家の強い想いが感じられます。
藤田は君代夫人に、描き溜めた素描の作品を数多く残し、夫人は生涯それらの作品を大切に所蔵していました。作品がたどってきた歴史と共に、お楽しみいただける逸品です。

 

 

 

 

注目作品2 「手仕事の人」に触れる特別展示

藤田は、身の回りのものを何でも手作りする手仕事の人でもありました。
特に晩年、裁縫や絵付け、空き箱やガラス瓶に絵を描くなど、様々なものを手作りし、その多くが愛蔵品として残されています。

 

本展覧会では、「手仕事の人」藤田の貴重な作品を特別に展示いたします。
普段は目にすることがない逸品をぜひご覧ください。

 

“私の画の子供が、私の息子なり娘なりで一番愛したい子供だ。”

学校の時計をモチーフに、子どもたちが楽しく体操をする姿が愛らしい大皿。
自分が描いた子供をわが子の様に愛した、藤田の温かいまなざしが感じられます。

 

「体操の時間(絵皿)」
1965年 グワッシュ・陶器 直径45cm
※東京美術俱楽部鑑定書付

本展初公開!世界に一つの石?

「雌猫と子猫と鼠」
1925年 ラップ石 46.5x55cm

ラップとは壁画のようなもので、アールデコの時代に建物の装飾として作られました。
1925年から1930年頃の数年間のみ制作され、藤田の作品もこの数年間に制作されたものです。
画家がオーダーを受けて建物に直接描いた贅沢な装飾品で、一点もののオリジナル作品です。
ベースの素材はセメントで、描画に使われている絵具は「複雑な顔料」。
藤田のラップ作品は、なんと全部で30点程しか制作されておらず、大変貴重な作品です。

注目作品3 人気のオリジナル版画を一堂に

「創作木版協会(黒地の猫)」
1927年 木版画 160部 22.5×16.5㎝
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アトリエは猫が何匹も出入りするなど、無類の猫好きとして知られた藤田。鋭い観察眼と、見事な描写力によって描かれた藤田の猫は、観る人に温かさをもたらしてくれます。

「魅せられし河:ヴァンドーム広場」
1951年 315部 銅版画 29×23.5㎝
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1951年、藤田65歳の誕生日を記念して発刊された大型の挿画本「魅せられし河」。パリへの思いが溢れたこの作品は、シャンゼリゼ通りやエリゼ宮、市場など当時のパリの街角の風情や人々がいきいきと表現された名作です。

「四十雀:グルメ(サイン有)」
1963年 リトグラフ 80部 19×19cm
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フランスの誇る富を子供に例えて表現したもので、ジャン・コクトーがテキストをつくり、藤田嗣治が21点のリトグラフを制作し出版された挿画本からの一枚。当時の風俗が、細かくユーモアたっぷりに描かれ、現代の私たちが見ても飽きることがありません。

「猫の本:エリゴネ」
1930年 コロタイプ 500部 20×26cm
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様々な表情を魅せる猫を見事に描き、フジタの猫に対する深い愛情や、鋭い観察眼とデッサン力が感じられる人気作品。フジタ作品のファンの方はもちろん、猫好きの方にもたまらない一枚です。

多岐にわたる藤田の作品を一堂にご覧いただける又とない機会です。ぜひこの機会に、藤田の作品をコレクションに加えてみてはいかがですか?

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