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ピカソとシャガールの交流
~巨匠同士お互いに認めつつもライバル心は旺盛

20世紀を代表する二人の巨匠、ピカソとシャガール。
6歳違いで生まれ、異国からパリに来て絵を描き、共に90歳を超えるまで長生きしたこの二人が一緒に語られることは、これまでほとんどありませんでした。
しかし、同時代を生きた巨匠同士、お互いに意識していなかったはずはありません。
実際、二人の間に交流があったことは、いくつかの資料から明らかになっています。
それは、どのようなものだったのでしょうか?

 


フランス近代絵画を数多くそろえていることで有名な箱根のポーラ美術館は、2017年3月から9月まで、15周年記念展を行っていました。
タイトルは「ピカソとシャガール 愛と平和の讃歌」。「世界初の二人展」と題されたその内容は、ピカソとシャガールの絵を「対決」させる刺激的なものでした。

 

 

展覧会のポスターでは、仲睦まじく抱き合うピカソとシャガールの写真が使われていますが、これはおそらくカメラマンに指示されたもので、メディア向けの演出でしょう。
実は、二人の仲は決して良好ではありませんでした。
ポーラ美術館によれば、シャガールの孫娘に会って展覧会への協力を求めたところ「そんなことできっこないわ」と言われてしまったそうです。
ピカソとシャガールは、お互いにライバル意識があって、相手をあまり認めようとしなかったからです。

ピカソとシャガールの最初の交流は、おそらくシャガールの最初のパリ時代(1910-1914)だと思われます。
シャガールは自伝『わが回想』の中で、初めてルーブル美術館を訪れて受けた衝撃について、故郷のロシア美術と比較して、次のように書いています。
「ロシア最高の写実画家も、クールベの写実主義から見れば落第生だ。ロシアで最も正統的な印象派も、モネやピカソの前では困惑を招くものでしかない」
このとき、フランスの最先端の美術(印象派)として、モネとピカソの名前が挙げられているのが興味深いです。当時のピカソはキュビスムに傾倒していた時代でした。ものの形象を崩す絵画として、印象派もキュビスムも同じ前衛美術だったのです。

1914年、シャガールは「ピカソを思う」と題した版画作品を作っています。
ダニエル・マルシェッソーの『シャガール:色彩の詩人』によれば、同版画は、シャガールがピカソについて触れた唯一の作品であり、シャガールはピカソに深い共感を抱かなかったようです。
当時、シャガールとピカソが実際に会っていたかどうかはわかりません。すでに美術界で名を成していたピカソと、一介の留学生だったシャガールですから、たとえ邂逅していても、深い交流はなかったでしょう。

同じ1914年、シャガールはベルリンに向かって、パリを後にします。シャガールを認めたドイツのシュトルム画廊が、個展を開催することになったからです。そのまま故郷のヴィテブスクに立ち寄ったシャガールは、第一次世界大戦勃発のために、9年もの間、パリに戻ることができませんでした。
1923年、ようやくパリに戻ったシャガールですが、第二次世界大戦でユダヤ人が迫害されるようになったために、1941年、今度はアメリカへの亡命を余儀なくされます。一方、ユダヤ人でなかったピカソは、二度の大戦中、ずっとフランスに留まり続けました。

シャガールとピカソの人生が再び交錯するのは、1948年、シャガールがフランスに戻ってきてからです。ポーラ美術館の「ピカソとシャガール」展のポスター写真も、その当時に撮影されたものです。
南仏ヴァンスのレ・コリーヌ荘に居を構えたシャガールは、著名な陶芸家だったラミエ夫妻の工房で陶芸を習いますが、そこには、同じく南仏に住んでいたピカソやマティスも通ってきていたのです。
ピカソとシャガールとの交流は、陶芸を通して生まれました。
年齢も近い成功した芸術家同士、通じ合うものはあったのでしょうが、お互いに我が強く、最終的には仲違いして没交流になります。

ピカソは1973年、シャガールは1985年まで生きましたが、その後の交流の証拠は見つかっていません。ピカソもシャガールも晩年は、再婚した若い妻を頼りにして、自らの芸術を追求しました。

 

 

2017年9月16日から12月3日まで、東京駅舎内にある東京ステーションギャラリーでは、企画展「シャガール 三次元の世界」が開催されています。
名作「誕生日」のほか、本文でとりあげた陶芸作品、また同時期に始めた彫刻作品が多数展示され、あまり知られていないシャガールの三次元美術への取り組みを知ることができます。興味の湧かれた方はご覧になってください。
また、私どもの翠波画廊は東京駅八重洲南口からから徒歩15分、タクシーなら1メーターの位置にあります。お時間のある方はぜひお立ち寄りください。

 

 

翠波画廊ではシャガール作品を幅広く取り揃えております。

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