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国立西洋美術館も騙された贋作事件(1)
~画家エルミア・ド・ホーリィはなぜ贋作を描いたのか

安定した価値を持つ美術品は投資に最適ですが、一つ大きなリスクがあります。
それは、贋作の存在です。
なにしろ、あの国立西洋美術館ですら贋作に騙された過去があるのです。
今もなお同美術館の地下には、大金を支払って購入したものの、後に公開されなくなった2枚の絵があると言われています。
1枚はラウル・デュフィ「アンジュ湾」、もう1枚はアンドレ・ドラン「ロンドン橋」と伝えられる作品ですが「真作とするには疑わしい」として展示されなくなったのです。
当時はまだ文化庁付属機関だった国立西洋美術館の失態は、当時の国会でもとりあげられて大きな話題になりました。
いったいどのように騙されたのでしょうか?

 


事件が起きたのは1965年のことです。国立西洋美術館は、売り込みに来たフランスの画商フェルナン・ルグロから2枚の絵を購入しました。
このルグロは販売作品に贋作が紛れているのではないかと、業界では噂の画商でした。とはいえ美術品の真贋の鑑定は難しく、画商自身も贋作であることを知らずに売った場合には「善意の第三者」として罪には問われないため、悪意を持って顧客を騙したことが立証できずに、野放しになっていたのです。
いわくつきの画商から国立西洋美術館が購入を決めたのは、絵画に専門家の鑑定書がついていたからでした。画家ドランの未亡人も真作だと太鼓判を押していました。たまたま訪日していたフランスの文化大臣アンドレ・マルローが、この2枚の絵を見て「素晴らしい作品だ。国外に流出するのが勿体ない」と社交辞令を言ったことも、購入を後押ししたそうです。

 

実際は、鑑定書そのものが怪しいものでした。よくできた贋作は、専門家ですら真偽の判定が難しいものです。ルグロは鑑定の甘い専門家を見つけて、うまく自分のパートナーとしていました。そして、成功した画商としてのブランド力と、抱き込んだ専門家の鑑定書の力で、ルグロは何百枚もの贋作を売りさばいたのです。
しかし悪事はいつかばれます。仲間同士のいざこざと、それに伴う警察沙汰、訴訟騒ぎが続き、とうとう1967年にルグロはフランスで国際指名犯となりました。きっかけとなったのはマルケの未亡人が、ルグロ所有のマルケ作品を贋作として訴えたことです。
ゴシップ紙は世間を揺るがす贋作疑惑について連日のように書き立てました。しかし、アメリカ国籍も持ち、すでに十分な財力もあるルグロは、国外を転々としてなかなかつかまりませんでした。

 

そのような中で1969年、『贋作』と題された1冊の本がアメリカで出版されます。贋作を描いて金を稼いできた、エルミア・ド・ホーリィと名乗る売れない画家の伝記です。この本の中に、1950年代からのパートナーとしてフェルナン・ルグロの名前が出てきます。ド・ホーリィはルグロの贋作を作っていたのは自分だと、著書で暴露したのです。
なぜ、ド・ホーリィはそんなことをしたのか。
実は当時、ド・ホーリィとルグロは財産をめぐって対立していました。またルグロから報酬を受け取っていたド・ホーリィは、ルグロと揉めたことでお金にも困っていたのでしょう。本はド・ホーリィの自己弁護でもあり、ルグロを非難するものでした。
ちなみに、本の著者は同じく売れない作家のクリフォード・アーヴィング。本はアーヴィングとド・ホーリィによる、業界での一発逆転を狙った爆弾でした。
その目論み通り本は話題になり、この本を題材にした映画が作られました。1973年に公開された映画『オーソン・ウェルズのフェイク』は、名優ウェルズが本の著者アーヴィングや贋作画家ド・ホーリィにインタビューしつつ、偽情報も交えて真贋の境目を探っていくものです。

 

当時、書籍の内容は真実と思われていましたが、だんだんと雲行きが怪しくなります。というのも、著者のアーヴィングが詐欺事件で告訴されたからです。
『贋作』で名を上げたアーヴィングは、今度はメディア嫌いの大富豪ハワード・ヒューズの伝記を企画します。そして出版社に持ちかけて50万ドルの前払い金をせしめます。しかし、実のところアーヴィングはヒューズに会うこともできず、出版許可も得ていませんでした。アーヴィングは自分の妻にヒューズ名義で銀行口座を作らせ、ヒューズの筆跡を真似て手紙を偽造したのです。
1972年、新たな本の出版が公表されると、当然ヒューズの弁護士から抗議の声が上がりました。裁判の結果、詐欺が暴露され有罪判決が出て、アーヴィングは服役することになりました。
転んでもただでは起きないアーヴィングは、服役後の1981年に、この事件の顛末をまとめた本を『ザ・ホークス―世界を騙した世紀の詐欺事件』として出版します。この本がまた注目され、2006年に『ザ・ホークス―ハワード・ヒューズを売った男』として映画化されました。

 

このように、事件にかかわる人物がみな一癖も二癖もある嘘つきばかりなので、真相解明は容易ではありません。ルグロから絵画を購入していた顧客の中には、よくできた贋作と知りつつ購入して、転売していた者もいたそうです。
暴露本を出版したド・ホーリィは、1976年にフランスで訴追されそうになり、睡眠薬を飲んで自殺しました。
同年、ルグロはインタビューによる自伝を出版しましたが、その内容はド・ホーリィの本とは異なっていました。
ド・ホーリィはルグロに贋作を描かせられたと主張し、ルグロはド・ホーリィに贋作を描かせたことはないと主張していたのです。
いくつかの裁判で有罪判決を受けて服役したルグロですが、執行猶予もあって服役期間は1年にも満たず、稼いだ金で悠々自適の生活を送って、1983年に喉頭がんで亡くなりました。
こうして事件はひとまず終息したのですが、真相は藪の中です。
しかし、国立西洋美術館の買った絵画が贋作であることはほとんど疑いがなく、苦々しい歴史として我が国の美術史に刻まれました。

 

続きはこちらから

国立西洋美術館も騙された贋作事件(2)>>

 

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