20世紀初頭、パリのモンパルナスで華々しく活躍した藤田嗣治（レオナール・フジタ）は、エコール・ド・パリを代表する画家として近代美術史にその名を刻みました。
そして近年、藤田作品はその芸術的価値とともに、経済的価値の面でも大きく注目されています。

藤田の作品市場は、戦後から1990年代までは比較的緩やかな価格推移をたどっていましたが、2000年代以降、世界的な日本美術・エコール・ド・パリ再評価の流れの中で急速に高騰しました。
特に2010年代に入ると、藤田の代表作や良質な裸婦、子ども、猫を主題とした作品は国際オークションで次々と高額落札され、1億円台から5億円超えという記録を更新する事例も相次ぎました。
2020年代においてもこの傾向は継続しており、安定的に高額落札が見られる数少ない日本人作家の一人となっています。

この背景には、藤田の作品が世界的に稀少性の高い資産として認識されていることが挙げられます。
藤田は旺盛な制作を行ったものの、現在残る市場での流通作品数は決して多くありません。
また、乳白色の下地と面相筆による独特な線描を用いた1920年代の黄金期作品は、ほとんどが美術館や大コレクションに収蔵されており、流通する機会自体が極めて限られています。
このため、市場に優品が出るたびに国内外の有力コレクター、美術館、ファンドなどの激しい争奪戦が繰り広げられ、相場を押し上げる要因となっています。

現代における美術市場では、美術品が「金融資産」としての側面を強めていますが、藤田作品はその希少性、国際的知名度、芸術性の三拍子が揃っており、今後も安定した価値の維持、さらには上昇が見込まれています。
特に、鑑定制度の整備や信頼できる真贋証明の存在により、安心して投資・収集対象となっている点も大きな魅力です。

藤田嗣治は芸術的偉業だけでなく、その作品が時代を超えて経済的にも高く評価され続けている、希有な存在といえるでしょう。
実は、藤田嗣治の作品は美術館で鑑賞するだけでなく、画廊で購入することができます。

翠波画廊では、油彩・水彩・ドローイング・オリジナル版画まで幅広く取り扱い、
あなたのライフスタイルとご予算に合った一枚を選んで購入することができます。

展覧会で心に響いた作品が、あなたのお部屋を彩る存在になる。
好きなときに、好きなだけ眺められる贅沢。

藤田嗣治の絵には、時代を超えて人の心を惹きつける魔法があります。