ミロがアンドレ・ブルトンへ贈った
美術史の記憶を宿す一枚

自由な世界が広がるミロの作品

ミロ
《アンドレ・ブルトンのリトグラフ作品
「ブラックユーモア選集」のためのプロジェクト》
1950年 パステル、グワッシュ、鉛筆、紙
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ジョアン・ミロの作品は、今なお世界中の人々を魅了し続けています。
それは、鮮やかな色彩、軽やかな線、そして一見シンプルな記号の中に、夢や無意識、詩のような自由な世界が広がっているからです。
子どもが描いたような無垢な愛らしさ、それでいて、洗練された造形感覚と、見る者の想像力を解き放つ豊かな余白があります。
ミロの作品は、難解な説明を求めるものではありません。
ただ向き合うだけで、心の奥に眠っていた感覚や記憶が静かに呼び覚まされる。
そこに、ミロだけが持つ特別な魅力があります。
今回ご紹介するのは、そうしたミロの魅力に加え、さらに美術史的にも特別な意味を持つ大変貴重な作品です。

シュルレアリスムの重鎮へ贈られた逸品

ミロとブルトン

本作は、シュールリアリズム運動の提唱者であり、詩人・思想家として20世紀芸術に大きな足跡を残したアンドレ・ブルトンへ、ミロ自身が贈った作品です。
画面下には、ブルトンへの献辞とミロのサインが記されています。
これは単なる一点の作品ではありません。
ミロとブルトンという、20世紀美術史を語るうえで欠かすことのできない二人の関係性を、作品そのものが今に伝えているとても貴重な一枚です。
1924年、ブルトンが『シュルレアリスム宣言』を発表したことにより、夢や無意識の世界を探求するシュールリアリズム運動は本格的に始まりました。
理性の枠を超え、人間の奥底にある無意識の世界を表現しようとしたこの運動には、ミロをはじめ、ダリ、マグリット、マックス・エルンスト、ピカソなど、時代を代表する芸術家たちが関わりました。
その中心にいたのがブルトンであり、ミロはその運動を通して独自の表現を確立し、20世紀を代表する画家としての地位を築いていきます。
そんなミロをブルトンは、最もシュルレアリスト的な画家だと称賛しています。

巨匠二人の絆を今に伝える一枚

ミロの直筆サインとブルトンへの献辞

つまり本作は、ミロが自身の芸術を深め、時代の前衛芸術のただ中で活躍していた時期の精神を伝える作品であり、同時に、シュールリアリズム運動を牽引したブルトンとの深い結びつきを示す、極めて意味深い一点なのです。
軽やかで洒脱な筆致からは、ミロがブルトンのために親しみを込めて描いたかのような、自由で即興的な空気が感じられます。
そこには、形式ばった贈り物ではなく、同じ時代を生き、芸術について語り合い、未来の表現を切り開こうとした同志への友情がにじんでいます。
美しい作品を所有する喜び、そして、美術史の重要な一場面に触れる喜び、本作には、その両方があります。
ミロの作品としての魅力はもちろん、ブルトンが所蔵していたという特別な来歴、さらにミロ自身による献辞とサインを備えた本作は、コレクションにおいても非常に存在感のある一枚となるでしょう。

ミロの軌跡を辿る一枚を、あなたのコレクションに

ミロを愛する方にとって、シュールリアリズムの歴史に惹かれる方にとって、そして、作品の背後にある物語や来歴まで含めて美術を楽しみたい方にとって、これは、ただ飾るための作品ではありません。
20世紀美術の熱気、ミロとブルトンの友情、そしてシュールリアリズムという革新的な運動の記憶を、今に受け継ぐための作品です。
目にした瞬間の愛らしさ、知るほどに深まる歴史的価値、そして、所有することで初めて味わえる特別な物語。
ミロがブルトンへ捧げた、遊び心あふれる自由で詩的な世界、その貴重な一枚を、ぜひこの機会にご覧ください。

 

翠波画廊 髙橋芳郎

 

 

翠波画廊代表 髙橋芳郎

株式会社ブリュッケ(翠波画廊)代表取締役。
美術大学卒業後、都内の画廊での修行を経て、1990年に独立。 2001年、故郷の秀峰の名を冠した「翠波画廊」をオープンさせる。
以降長きにわたり、ピカソ、マティス、藤田嗣治、ユトリロ、ローランサン等フランスの近代巨匠から、
ウォーホル、キース・へリング等現代アートまで幅広く扱う。

 

 

《新入荷作品のご紹介》

ミロ
《アンドレ・ブルトンのリトグラフ作品「ブラックユーモア選集」のためのプロジェクト》
1950年 パステル、グワッシュ、鉛筆、紙<
ADOM証明書付き(Association pour la Défense de l’œuvre de Joan Miró)
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