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— ジョン・ボタンの作品が静かに語りかけるもの —

ジョン・ボタン《人生のレモン》アクリル、パネル
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このたびご縁があり、翠波画廊ではスウェーデンの画家ジョン・ボタンの作品展を開催することになりました。

日本ではまだ広く知られている作家とは言えませんが、作品を実際に目にしたとき、私はすぐにこの画家の魅力に惹きつけられました。

長く画廊の仕事に携わっていると、絵画には二つの種類があるように感じることがあります。
ひとつは、一瞬で理解できたと思える絵。もうひとつは、見る時間が長くなるほど、少しずつ心の中に広がっていく絵です。
ジョン・ボタンの作品は、間違いなく後者の絵画でしょう。

画面そのものを味わう、純粋な調和の体験

ジョン・ボタン《海岸の静けさ》アクリル、パネル
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彼の作品を前にすると、まず気づくのは画面の穏やかなバランスです。
人物や風景といった対象は確かに描かれているのですが、私たちが普段見慣れている遠近法的な空間はほとんど感じられません。
奥行きは抑えられ、画面はむしろ平面的に構成されています。

しかし、その平面は決して単調ではありません。
落ち着いた色彩の重なりと質感(マチエール)、リズミカルに走る線描、そして形と形のあいだに生まれる静かな緊張感
これらが絶妙な均衡を保ちながら画面を支えています。
その結果、ボタンの作品は「描かれた対象を見る」というより、「画面そのものの調和を味わう」ような体験を生み出します。

時間をかけて対話する「芸術」

ジョン・ボタン《大丈夫》アクリル、パネル
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私はこの感覚に触れたとき、ふと「これは絵画の原点に近いのではないか」と感じました。
現代社会は、情報に満ちています。
スマートフォンを開けば、数えきれないほどの画像が次々に目に飛び込んできます。
私たちは無意識のうちにそれらを瞬間的に判断し、次の情報へと移っていきます。
このような環境の中で、視覚体験そのものが大きく変わってしまったように思います。

かつて絵画を観るという行為は、もっとゆっくりとしたものでした。
人は絵の前に立ち、色や形、筆の動きや画面の構成を時間をかけて見つめ、少しずつその世界に入り込んでいったのです。
つまり、絵画とは「熟視することで楽しむ芸術」だったのです。

見つめるほどに、静謐な世界が呼吸をはじめる

ジョン・ボタン《秘密の入り江》アクリル、パネル
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ところが現代では、アート体験そのものが「一瞥の体験」へと変わりつつあります。
作品はまず写真で見られ、SNSで共有され、瞬間的な印象だけで評価されることも少なくありません。
中には、視覚的なインパクトだけで成立する作品もあります。
それはそれで現代的な表現の一つではありますが、その一方で、ゆっくりと絵を見るという行為は確実に減っているように感じます。
その意味で、ジョン・ボタンの絵画はとても興味深い存在です。
彼の作品は、派手な演出で目を引くわけではなく、強い主張があるわけでもありません。

しかし、画面の前に立つと、なぜか視線がとどまります。
そして見ているうちに、色の関係や線の動き、形の配置が少しずつ見えてきます。
気がつくと、最初に感じた印象とは違う静かな世界が立ち上がってくるのです。
それは、見る人を「絵の中へと引き込む力」と言えるかもしれません。

加速する日常を止める「絵画の時間」

ジョン・ボタン《町はずれⅡ》アクリル、パネル
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私はときどき、優れた絵画には「時間を生み出す力」があるのではないかと感じます。
忙しい日常の中で流れていく時間を、一度立ち止まらせる力です。
ボタンの作品の前に立つと、自然と視線がゆっくりと画面を巡ります。
それはまるで、絵と対話しているかのような感覚です。
この体験こそが、絵画という芸術の本質なのではないでしょうか。

美術史を振り返ると、絵画は常に「見る」という行為そのものを問い続けてきました。
遠近法の発明も、印象派の色彩も、キュビスムの対象の分解も、すべては「私たちは世界をどのように見るのか」という問いから生まれています。
ジョン・ボタンの作品もまた、その長い歴史の中で「見ること」を静かに問い直しているように思えます。

ジョン・ボタンが取り戻す「贅沢な時間」

ジョン・ボタン《夜明けのジャズ》アクリル、パネル
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遠近法を弱め、画面を平面として構成し、色と線のリズムによって空間をつくる。
それによって私たちは、「対象を見る」のではなく、「絵画そのものを観る」という体験へと導かれるのです。
情報が溢れ、あらゆるものが瞬時に消費されていく時代だからこそ、ゆっくりと絵を観る時間は、以前にも増して貴重なものになっているのかもしれません。
ジョン・ボタンの作品には、その時間を取り戻す力があります。
そしてその静かな体験の中に、「絵画とは何か」という問いへの一つの答えが、そっと隠されているように感じるのです。

翠波画廊 髙橋芳郎

翠波画廊代表 髙橋芳郎

株式会社ブリュッケ(翠波画廊)代表取締役。
美術大学卒業後、都内の画廊での修行を経て、1990年に独立。 2001年、故郷の秀峰の名を冠した「翠波画廊」をオープンさせる。
以降長きにわたり、ピカソ、マティス、藤田嗣治、ユトリロ、ローランサン等フランスの近代巨匠から、
ウォーホル、キース・へリング等現代アートまで幅広く扱う。

 

 

【申込受付中】ジョン・ボタン来日作品展

《スロー・スピード》

記憶を纏う風景ージョン・ボタン来日作品展

 

日常の中に置き去りにしてきた“懐かしさ”をそっと呼び戻してくれる作家、ジョン・ボタン。
その作品は、暮らし全体に穏やかな呼吸をもたらし、私たちの毎日に静かに寄り添ってくれます。

 

翠波画廊にて初開催となる個展に際して、作家本人がスウェーデンより来日。 3月21日(土)には翠波画廊東京銀座店にて来場販売会を開催いたします。 ぜひこの機会にご来場ください。

 

【東京銀座店】
会期|3月21日(土)〜4月4日(土)
作家来場日|3月21日
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【大阪梅田店】
会期|4月10日(金)〜4月23日(木)

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