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シュルレアリスム作家で最も売れているのは誰か
~ダリか、ミロか、マグリットか?

20世紀前半のパリで起きたシュルレアリスム運動は、ダリやマグリットの幻想的な絵画を生み出しただけでなく、ピカソやミロといった先達にも大きな影響を与えて、写実的な絵画をさらに解体していきました。 フロイトの精神分析に強い影響を受けたシュルレアリスムは、夢や不条理の世界を不可思議に描き、現代でも根強いファンを持っています。
そのようなシュルレアリスム絵画で売れている作品はどのようなものか、価格データベース会社アートプライスのプレスリリースから、ひもといてみましょう。

 

 

圧倒的な人気を誇るシュルレアリスム画家とは

 

これまでにオークションで落札されたシュルレアリスム絵画のランキングを見ると、同じような作家ばかりが並んでいることに気づきます。
まずランキング1位作品は、ジョアン・ミロ(1893-1983)の『Peinture (Etoile Bleue)』(絵画・青い星)で、落札価格は約3700万ドル(手数料除く)です。そして驚くべきことに、トップ10作品のうちなんと7作品をミロが占めているのです。
残りの3作品は、ルネ・マグリットとサルバドール・ダリで分け合いました。

 

出典:Artprice「The Top10 of Surrealism」[30 Nov 2018]

 

特筆すべきは10作品中6作品が2017年以降の新しい落札となっていることです。残りの4作品も、すべて2010年代の競売となっており、アートマーケットが今世紀に入ってどんどん拡大していることがわかります。

 

なぜミロがオークションにおいてこれほどまでに高額落札されているのか。その秘密の一つは作品数の多さです。
ミロは生涯に2000点以上の絵画と、5000点以上の素描、500点以上の彫刻、そして数えきれないほど多くの版画を残しました。作品数が多いだけに、毎年オークションでは1000点以上のミロ作品が落札されています。母数が多ければ、自然と高額落札作品も生まれてくるものです。寡作のフェルメールなどは、ほとんどオークションには出品されませんから、落札されることもありません。
もちろん、ミロの魅力は作品数の多さだけにとどまりません。どんなに作品数が多くても、小品ばかりでは高額落札には結びつきません。実際、オークションで落札されるミロの作品の9割はリーズナブルな版画作品であり、それらの版画がランキングに載ることはありません。しかし、ミロの一点ものの絵画は、近年ぐんぐんと値を上げてきています。
トップ10ランキングに入ったミロ作品7点のうち5点は、2017~2018年にかけて落札されたものです。それだけミロの作品の市場価格が上昇しているのは、ミロ作品に対する需要が高まっているからです。2018年に落札されたミロ作品の総額は1億ドルを超えていて、総販売金額でいえば全アーティストのトップ15に入りました。シュルレアリスム絵画の枠を超えて、世界中で愛される画家といってよいでしょう。

 

 

 

いま人気が急上昇中のシュルレアリスムの画家

 

3位と10位に作品がランクインしたのは、ベルギーのルネ・マグリット(1898-1967)です。この2作品の記録もまた2017~2018年にかけて達成されたものです。絵画マーケットの価格が全体的に右肩上がりで推移しているとはいえ、それ以上にマグリットの人気が高まってきていることを感じさせます。
なにしろマグリット作品の価格推移は、代表的なところだけを取り上げても1996年時点では350万ドル、2002年で1260万ドル、2017 年で2056万ドル、2018年で2683万ドルと、うなぎのぼりです。この10年間でマグリット作品のオークションにおける落札記録は2倍になりました。
2018年に落札された『Le principe du plaisir』(快楽原則)は、競売の出品者が40年前に買ったときには7万4000ドルだったそうです。ということは、40年の間に作品価格が362倍に高騰したのです。
パリに馴染めずにすぐにベルギーに戻ってしまったこともあり、シュルレアリスムの画家の中ではいまひとつ知名度で劣るマグリットですが、現在、最も勢いのあるシュルレアリストといってよいでしょう。

 

 

シュルレアリスム絵画といえばこの人

 

もう一人のシュルレアリスム作家、サルバドール・ダリ(1904-1989)も負けてはいません。
9位にランクインした『Portrait de Paul Eluard』(ポール・エリュアールの肖像)は、33×25センチメートルの小品ですが、2167万ドルの値をつけました。この作品は1989年に競売に出品されたときは200万ドルにすぎませんでしたが、22年後の2011年には10倍以上の価格で落札されることになりました。この価格は、2019年現在、ダリ作品のオークションにおける最高落札記録になっています。
ちなみに作品の題材となった詩人のポール・エリュアールとは、ダリの愛妻ガラの前夫にあたります。この絵は、1929年にポールとガラのエリュアール夫妻が、スペインのダリの家を訪問したときに描かれたもので、このときからダリとガラの交際も始まったとされています。このように書くとダリが倫理観を逸脱した人物のようにも見えてしまいますが、実際のダリは真面目な人間で、性的に奔放な年上のガラがダリを誘惑したのではないかとの説もあります。
ベルギーのマグリットもスペインのダリも、どちらもその国が世界に誇る画家であり、今後も順調に人気が高まっていくと予想されます。

 

 


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