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絵画と写真と映画、どれを観る?
~写真のような絵画はもう必要ないのか

絵画と映画はどちらも視覚芸術で親和性があります。
目の前の風景をそのまま映す手段としての写真が誕生したのが19世紀半ばで、その写真を連続して投影することで動かした映画が誕生したのが19世紀末になります。
同じ視覚芸術の担い手として、画家たちは当然、写真や映画に興味を持ちました。なにしろ、写真が普及すると肖像画や風景画の需要が減ってしまいます。大衆的な人気を奪うという意味では、映画もまた絵画のライヴァルでした。
当時の画家たちは写真や映画にどのように反応したのでしょうか?

 

 

写真の登場に、画家はどう対処したか

モネ「印象・日の出」

19世紀の画家にとって、写真はまだそれほどの脅威ではありませんでした。
人物や風景を二次元に写しとることができるといっても、まだカラー写真は普及しておらず、レンズの性能もそれほど良くなかったため、絵画の優位性が残っていたからです。
それでも、新たな技術である写真に刺激を受けた画家は少なくありませんでした。
写実性では写真に敵わないと感じた画家たちの一部は、写実性以外の表現を追求するようになりました。
その代表が、ラフな筆致で一瞬の印象をとらえた印象派です。
画家の主観を大事にした印象派の絵画は、事物のいっさいをそのままに写し取る写真のアンチテーゼでした。

 

 

ドガ「騎手たち」

印象派の中には、写真に影響を受けた画家もいます。
たとえばエドガー・ドガは、レンズのとらえた範囲だけを強制的に切り取る写真の構図にインスピレーションを得て、人物や動物をキャンバスで切り取ったような構図の絵画を描きました。
ドガの描いた人物画には、それまでの絵画のようにポーズを作らず、日常の一瞬をとらえたようなものが目立ちますが、これも写真の特徴です。
ドガは、絵を描く前に写真を撮って、その写真を見ながら描いていたと言われています。

 

 

写真を見ながら絵を描いたユトリロ

ユトリロ「コタン小路」

ドガと同様に、写真を見ながら絵を描いていたと言われているのがモーリス・ユトリロです。
ユトリロはパリの街並みを数多く描きましたが、それらを描く際に写真を参考にしていました。
ドガよりも50年ほど後のユトリロの時代には、新しいテクノロジーである写真もそれほど珍しいものではなくなり、単に道具として使われるようになっていました。
ユトリロの絵はパリに来た観光客によく売れましたが、写真の絵葉書よりも人が手で描いた風景画のほうが価値あるものとなったのです。
映画『ジャコメッティ 最後の肖像』には、ユトリロよりも20年ほど後の芸術家ジャコメッティが肖像画を描きながら「写真ができたから肖像画にはもう意味がない」と自虐するシーンがあります。
それでも、芸術家は肖像画や風景画を描くのを止めていません。そこには、レンズに写る光を切り取った写真以上の意味があるからです。

 

 

映画に挑戦した画家たち

ブニュエル、ダリ「アンダルシアの犬」の一場面

絵画と写真の関係がこなれてきた19世紀末に映画が誕生しました。
動く写真とも言える映画は、まさに異次元の衝撃を絵画や写真に与えました。現代の人々が、何かについて知りたいときに、書籍よりもマンガ、マンガよりも動画を選ぶように、動く写真はあっというまに人気を集めたのです。
例えば、印象派の画家ピエール=オーギュスト・ルノワールの次男であるジャン・ルノワールは、成長して高名な映画監督になりました。
父親の時代には絵画が芸術の主流でしたが、息子のジャンの時代には映画が流行の最先端だったからでしょう。
父親のルノワールのような印象派の画家たちには、映画芸術に乗り換えるという選択肢はありませんでした。年齢的に遅すぎたからです。
しかし、ルノワールより60歳以上も年下のダリの場合は違います。
サルバドール・ダリは24歳のときに、友人のルイス・ブニュエルとともに映画『アンダルシアの犬』(1929)を撮りました。
後のダリの絵画に出てくるようなさまざまな衝撃的なイメージを詰め込んだこの短編映画は、当時の若い芸術家たちの間で評判となり、ダリの名声を高からしめました。
時代は少し下りますが、アンディ・ウォーホルや草間彌生といった戦後の現代アーティストたちもまた、自らの芸術活動の一環として映画を撮っています。
芸術家の撮る映画は、多分に実験的要素が強く、一般的な商業作品にはならないことが多いのですが、映画という新しい芸術への画家たちの取り組みは興味深いものです。

 

映画に描かれた画家たち

画家自身がメガホンを取ると難解な作品になりがちですが、画家を題材にした映画の場合は誰でも楽しめるものになります。
2012年の映画『ミッドナイト・イン・パリ』は、ウディ・アレン監督によるコメディです。これは、ウディ・アレンをモデルにしたかのようなアメリカ人の脚本家ギルが、憧れの1920年代のパリにタイムスリップでさまよい込む物語で、マティス、ピカソ、コクトー、ダリ、ドガ、ゴーギャン、ロートレックなど、当時のパリで活躍した綺羅星のような画家たちが次々に登場します(もちろん役者が扮したものです)。
フォーヴィスムのマティスと、キュビスムのピカソ、シュルレアリスムのダリはそれぞれ時代の違う画家のように感じられますが、年齢がちょっと違うだけで、実は同時代のパリで同じ空気を吸っていたことがわかります。
この映画で興味深いのは、現代に住む主人公が1920年代のパリに憧れているのと同様に、1920年代のパリに住む人々は、さらに過去のパリに生きたかったと昔を懐かしんでいることです。もう手に入らないものだけが、いつだって憧れの対象になるのでしょう。
ちなみに、この映画の宣伝ポスターやDVDのジャケットに使われているのは、映画本編には登場しないゴッホの作品「星月夜」です。
知っている人はポスターを見るだけで絵画に関係する話だとわかるでしょう。
ウディ・アレンに代表されるアメリカのインテリの間では、流行の現代アートではなくフランス近代絵画こそが、まさに教養となっているのです。

左:映画「ミッドナイト・イン・パリ」DVDジャケット(角川書店)
ゴッホ「星月夜」

 


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