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物憂げな女性の美しさって気になりませんか?

画廊にとって、扱う商品(絵画)をどのように仕入れるかは非常に重要な問題です。
すでに世を去った画家の場合は、その作品が売りに出るのを待つしかありません。
存命の画家の場合も、画家本人から卸してもらえればもっとも良いのですが、そのようなルートがなければ、伝手をたどって購入を打診するしかありません。
幸いなことに翠波画廊は、何人かの専属契約画家とフランスで活躍する有名画家から直接作品を購入できる関係を作っています。
ジャン=ピエール・カシニョールも20年来の付き合いで、画家から直に作品を仕入れる間柄になっています。

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▲ジャン=ピエール・カシニョール

カシニョールの絵に出てくる女性たちは、細身で、いつもアンニュイな表情を浮かべています。
そのためでしょうか、カシニョールは若い頃から日本ではたいへん人気のある画家でした。
若い頃には、本国であるフランスよりも、むしろ日本で受けていて、1970年の初来日を皮切りに、以後も何度も来日しています。

 

さらに、1988年から98年にかけて、日本では講談社や日本経済新聞社といった老舗出版社から、画集が4冊も出版されました。
美術書が売れないと言われる日本の出版業界では、きわめて異例のことだと思います。

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▲カシニョール カタログレゾネも刊行

おそらく、繊細な美人画というその作風が、日本人の感性とよく合っていたのでしょう。
ポピュラー・ミュージックでいえば、クイーンやボン・ジョヴィといったバンドのようなものだといえば、一部の人には理解しやすいかもしれません。

 

カシニョールは2017年に82歳になりますが、今も現役で絵を描いています。
成功した画家の例にもれず、スイスのレマン湖のほとりに自宅とアトリエを兼ねた家を建てて、悠々自適の毎日をおくっています。
20年ほど前に私が初めてお会いしたときには、スイスのジュネーブ近くの森の中にある、200年以上前に貴族によって建てられたという大きな洋館を借りて住んでいました。

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▲カシニョール氏と娘のアンヌ・シャルロットさんと打ち合わせ(パリのカフェにて)

以前、フランス北部のビスケー湾にあるレ島(イル・ド・レ)の、カシニョールの別荘に招かれたことがあります。
その時、夕食の席でお酒も入って饒舌になったカシニョールが昔話を始めました。
画家として成功し優雅な人生を勝ち取ったカシニョールですが、生まれたのは1935年のパリで、子ども時代は第二次世界大戦のただなかでした。
パリはドイツ軍に占領され、当時、母子家庭のユダヤ人だったカシニョールは、パリを脱出しました。
ユダヤ人を迫害するナチス・ドイツから逃れるため、母親に手をつながれフランス各地を転々と逃げ回ったそうです。
その時、何より辛かったのは、空腹でした。
ろくに食べるものがなく、いつもひもじい思いをしていたと、思い出話を語って聞かせてくれました。

 

戦後、パリに戻ったカシニョールは、勉学にも励み、名門ジャンソン・ド・サイイ高校を卒業しています。
カシニョールの最初の個展は1952年、17歳のときにパリのルシー・クロッグ画廊にて開催されました。
早熟だったのです。
その後、1954年、19歳のときに、モネとセザンヌとピサロが出会った画学校アカデミー・シュイスを前身とする、美術専門学校アカデミー・シャルパンティエに入学します。そして1年後にはパリの美術学校に合格し、本格的に絵の勉強を始めます。

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▲「お客様のお部屋紹介」より、茨城県O様の飾られているカシニョール

カシニョールの作風は、見ていて心地よいものです。
オランダの画家キース・ヴァン・ドンゲンの影響を受けたような、女性画を数多く描いています。
フランスの画家ですが、イタリアのモジリアーニや日本の藤田嗣治、ポーランドのキスリングなど、エコール・ド・パリの画家たちが描いた女性画の伝統を受け継いでいます。

 

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▲カシニョール「バラ園にて」130×88.9 cm、1975年

 

カシニョールの絵は、全世界で高く評価されています。
一説によると、現存するフランスの画家の中では3番目に高く売れる画家だそうです。
2017年現在、カシニョールのオークション・レコードとなっているのは、1975年に制作した「バラ園にて」です。
この作品は、2013年アメリカの大手オークション会社のオークションで、手数料込み89万ドルで落札されました。
これは、当時の為替レートである1ドル=約98.8円で換算すると約8800万円になります。

 

翠波画廊は、カシニョール本人から新作絵画を仕入れています。
今回も新作が入荷しました。
ぜひ一度、翠波画廊で取り扱っているカシニョールの絵画をご覧になってください。

 

カシニョール作品一覧はこちら >>



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