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世界一有名な犬?
~あのバンクシーがパロディにした絵とは?

あなたは、犬の絵と聞いたときに何をイメージしますか?
美術史には有名な犬の絵が意外と少ないのです。
もしかすると、美術のモチーフとして犬の人気が低かったからかもしれません。
今回は、個人的な見解で、世界一有名な犬の絵の話をお届けします。
たぶん、あなたも見たことがあります。

世界一有名な犬の絵を決めるのは難しい

フランシス・バラウド《His Master’s Voice》1898

私が思い浮かべる有名な犬の絵といえば、アメリカの漫画家チャールズ・モンロー・シュルツが描く『ピーナッツ』に出てくるビーグル犬のスヌーピー。
彫刻だったら、渋谷駅前にある忠犬ハチ公の銅像。
日本画だったら、円山応挙の「仔犬図」。
油彩画だったら、フランシス・バラウドの絵画《His Master’s Voice》(御主人様の声)です。
フランシス・バラウドという画家を知らない?
では、この絵に見覚えはありませんか?
アメリカのレコード会社ビクターのロゴマークの犬です。

御主人様の声を覚えている忠犬ニッパー

ビクターのロゴマーク

実はこの絵には興味深いストーリーが隠されています。
この犬の名前はニッパー。犬種はフォックス・テリアと思われます。
ニッパーの飼い主は、フランシス・バラウドの兄の画家マーク・バラウドでした。
しかし、マークは1887年に病死してしまい、弟のフランシスが兄の息子と犬を引き取って育てることになりました。
ある日、フランシスが録音していた兄マークの声を蓄音機で流してみると、ニッパーが飛んできて聞き入りました。御主人様の声を覚えていたのですね。
亡くなった御主人様の帰りを駅で待ち続けた、日本の忠犬ハチ公を思い起こさせるエピソードです。


ニッパーが1895年に亡くなってから3年後、フランシスは、蓄音機から流れる声を聞くニッパーの絵を蓄音機会社に売り込みます。
最初に訪問したエジソン・ベル社からは断られましたが、次に訪問したベルリーナ・グラモフォン社は、自社の蓄音機に描きかえることを条件に絵の権利を購入しました。
こうして、この絵はベルリーナ・グラモフォンの商標として登録されることになりました。
そして、ベルリーナ・グラモフォンの小売部門は、この絵のタイトル《His Master’s Voice》の頭文字をとってHMVと名付けられました。
HMVは、後にレコード販売店グループとして世界中で有名になります。
また、ベルリーナ・グラモフォンは後にビクタートーキングマシンと改名して、1927年には日本法人の日本ビクター(現・JVCケンウッド)を設立します。
この日本ビクターのロゴマークにもニッパーの絵が入っていたため、《His Master’s Voice》は誰もが見たことのある有名な犬の絵となったのです。
ちなみに現在、2月8日は忠犬ニッパーの日と定められています。

バンクシーが《His Master’s Voice》を描いたら?

バンクシー《HMV》2003

この有名な犬の絵をパロディにしたのが、バンクシー《HMV》です。
バンクシーの絵では、ニッパーと見られる犬は蓄音機に聞き入るのではなく、蓄音機に向けてバズーカをかまえています。
この絵はもともとストリートアートとして描かれた壁画でしたが、2003年にバンクシー公認のグッズ販売会社「Pictures on Walls」(POW)からエディションナンバー入りの版画として発売されました。発行部数はサイン入り150枚、サインなし600枚です。
蓄音機にバズーカを向ける犬の意味については諸説ありますが、私は、戦争の絶えない現代社会を揶揄したものだと考えています。
ニッパーのように死者に思いを馳せることができればいいのに、現実の社会では次から次へと人が殺されています。

バンクシーとキース・ヘリングのコラボレーション

バンクシー 《武器を選べ (フルオロ・グリーン)》 2010
キース・ヘリング 《吠える犬》1980-?
もうひとつ、バンクシーの作品から犬の絵をご紹介しましょう。
バンクシー《Choose Your Weapon》(武器を選べ)はフードとマスクで顔を隠した人が、吠える犬を散歩させている絵です。こちらも版画シリーズとして販売されました。
この絵では、人と犬のタッチが大きく異なっています。なぜなら「吠える犬」はキース・ヘリングがよく描いたアイコンだからです。
「Choose Your Weapon」という絵のタイトルを直訳すると「おまえの武器を選べ」となります。
これは物理的な武器を指しているのではなく、社会への抵抗や意見表明のための「手段を選べ」という意味に解釈できます。
この作品において、バンクシーは、銃やバズーカなどの暴力的な武器に訴えるのではなく、核廃絶やエイズ患者の救済を訴えたキース・ヘリングのように、アートや言論を「武器」とすることを推奨しているように見えます。
この版画シリーズは、2010年に各色25枚限定で20色のシルクスクリーン版画として刷られました。
POWからの販売時は7万円でしたが、現在は1000万円を超える価格で取引されています。 2021年にオークションに出品された際には、グレー版が約3000万円、フルオロ・グリーン 版は約4500万円で落札されたほどの人気でした。

翠波画廊では、世界に一点の貴重な肉筆作品から比較的手頃な版画作品まで幅広く取り扱っています。
ぜひご覧になってください。

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