海外アーティスト作品の価格と為替相場の関係
~円安時代に考える「アートを持つ」意味
私たちがニュースで頻繁に耳にする「為替相場」。
実はこの為替の動きが、美術作品の価格にも密接に関わっていることをご存じでしょうか。
アートは感性の世界であると同時に、国際的な経済の流れの中で取引される“資産”でもあります。
そのため、為替の変動はコレクターにとっても決して無視できない要素なのです。
為替相場とは何か

為替相場とは、異なる通貨を交換する際のレートのこと。
私たちが海外旅行に行くときに「1ドル=150円」といった数字を見るのは、この為替レートです。
このレートは、日々刻々と変化しています。その要因は大きく2つに分けられます。
1. 貿易による影響
日本は原油や天然資源、食料などを海外から輸入しています。多くの取引は米ドル建てで行われるため、企業は「円を売ってドルを買う」必要があります。
逆に、日本から輸出して得たドルを円に換える動きもあり、この需給のバランスによって為替は上下します。
2. 資本の動きによる影響
もうひとつは「資本の移動」です。
海外の金利が日本より高い場合、投資家はより高い利回りを求めて円を売り、ドルやユーロを買って海外資産に投資します。
また、日本企業が海外の企業を買収する際にも外貨が必要となり、円売りが増えることになります。
こうした要因が重なり、近年は日本の長期的な低金利政策と世界的なインフレの影響から、円安が進行しているのです。
専門家の間では、この傾向は一時的なものではなく、日本の財政構造や金利環境を考慮すると、今後も長期的に続く可能性が高いとみられています。
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美術品価格と為替の密接な関係

美術品は国境を越えて取引される“国際商品”です。
そのため、作品価格は多くの場合ユーロやドル建てで設定されます。つまり、日本のコレクターにとって、為替は購入価格を左右する重要な要素なのです。
たとえば、翠波画廊がフランスの作家から1万ユーロの作品を仕入れる場合を考えてみましょう。
2020年当時、ユーロの為替レートは約120円でした。仕入れ価格は120万円です。
ところが現在では1ユーロ=170円を超えています。つまり同じ作品を仕入れるだけで170万円以上かかることになります。
為替差だけで約50万円の差。円安が進むほど、日本での販売価格は上昇してしまうのです。
円安は「購入チャンス」と「資産上昇」の両面を持つ

このように、円安は作品価格の上昇要因となりますが、同時に重要な視点があります。
それは――円の価値が下がるということは、海外で通用するアートを持つ人にとっては資産価値が上がるということです。
たとえば、ピカソやシャガール、ローランサンといった国際的評価の定まった作家の作品を所有している場合、その市場価値はユーロやドルを基準に形成されます。
したがって、円安が進むほど、その作品の円換算での評価額は上昇します。
同じ作品でも、為替レートが120円から170円へ変われば、日本円での資産評価は約40%も上昇する計算になります。
つまり、円安は「これから買う人」にとっては価格上昇のリスクですが、「すでに所有している人」にとっては資産価値を押し上げる追い風にもなるのです。
タイミングで変わる“アートの買い得”

為替の動きは、美術品購入のタイミングに大きな影響を与えます。
円の価値が高いうちに購入できれば、結果的に「割安」で作品を入手することができます。
円安局面では1点の作品でも20〜30%の価格差が生まれることがあり、まさに「タイミングの妙」がものを言う世界です。
このため、翠波画廊では為替の動向を常に注視し、できる限り良い条件で海外作家の作品を仕入れ、日本のお客様にご案内できるよう努めています。
美術品はインフレヘッジにもなる

もうひとつ見逃せないのが、美術品の“インフレ耐性”です。
現金や預金はインフレによって実質的な価値が目減りしますが、美術品は物価上昇に連動して評価が上がる傾向にあります。
特に国際的に評価が確立している作家の作品は、世界的な市場で価値が形成されるため、国内インフレや円安の影響を受けにくく、資産価値を守る“現物資産”として機能します。
つまり、優れたアート作品を所有することは、単なる趣味や嗜好の範囲を超えた「資産防衛」の手段にもなりうるのです。
アートは経済と響き合う資産

円安とインフレが進む現在、美術市場にもその影響は明確に現れています。
海外作家の作品は現地インフレで価格が上昇し、さらに円安によって日本での価格も上がる。
この二重の要因により、海外アートの円建て価格は上昇傾向にあります。
しかし同時に、円安の時代は「世界に通用するアートを持つ人」が資産価値の恩恵を受ける時代でもあります。
アートは国境を越えた共通の価値を持つ、数少ない資産のひとつです。
経済の波が大きく揺れる時代だからこそ、感性と資産を両立させる「アートコレクション」という選択が、ますます注目を集めています。
翠波画廊では、国際的な市場環境をふまえ、円安の今だからこそおすすめできる作品を、確かな目で厳選してご紹介しております。
アートを“飾る喜び”と“持つ価値”の両面から、これからのコレクションを考えてみてはいかがでしょうか。

翠波画廊代表 髙橋芳郎
アート作品をご資産としてご購入される方は年々増えております。
感性と資産としてのアートコレクションをお考えのお客様、ぜひお気軽にご相談ください。
株式会社ブリュッケ(翠波画廊)代表取締役。
美術大学卒業後、都内の画廊での修行を経て、1990年に独立。
2001年、故郷の秀峰の名を冠した「翠波画廊」をオープンさせる。
以降長きにわたり、ピカソ、マティス、藤田嗣治、ユトリロ、ローランサン等フランスの近代巨匠から、
ウォーホル、キース・へリング等現代アートまで幅広く扱う。
《資産としておすすめの作品 一例》
ルノワール《婦人像》1904年頃 油彩
作品詳細はこちら>>
マティス《ヌジーの肖像》1942年 ペン、墨
作品詳細はこちら>>
ピカソ《座るシニヨンの女性》リノカット 50部
作品詳細はこちら>>
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