現代アートとは?

エコール・ド・パリとは

エコール・ド・パリについて

現代アートには、絵画だけでなく<br><noscript><img decoding=現代アートには、絵画だけでなく
インスタレーションや映像など
多様な表現がある

「現代アートはよく分からない」美術館やギャラリーで現代アートを見て、そう感じたことがある方も多いのではないでしょうか。写実的な絵画だけでなく、大きな色面だけの作品、日用品を使った作品、映像や写真、巨大な立体作品など、現代アートには実にさまざまな表現があります。現代アート(Contemporary Art)とは、一般的には20世紀後半から現在までに生まれた美術を指す言葉です。ただし、「何年以降が現代アート」という厳密な境界が決められているわけではありません。現代アートを理解するうえで大切なのは、制作年代だけでなく、作品の見た目や技術に加えて、そこにある考え方や問いかけまで含めて作品を見るようになったことです。現代アートは、私たちが生きている時代や社会、価値観を映し出す美術ともいえるでしょう。

現代アートと現代美術は違う?

Contemporary Art

Contemporary Art

日本では「現代アート」「現代美術」「コンテンポラリーアート」という言葉が使われていますが、一般的にはかなり近い意味で使われています。英語の「Contemporary Art」を訳したものが「現代美術」であり、現在では「現代アート」という呼び方も広く定着しています。ただし「現代」には単に「現在作られている」という意味もあるため、活動中の画家の作品がすべて美術史上の「現代アート」に分類されるわけではありません。現在の社会や文化、美術そのものについて新しい視点を提示しているかも重要になります。

現代アートはいつから始まった?

マルセル・デュシャン「泉」

マルセル・デュシャン「泉」

「現代アートはいつから始まったのか」に、明確な答えは一つだけあるわけではありません。その起点としてしばしば語られる重要な人物の一人が、マルセル・デュシャンです。1917年、デュシャンは既製品の男性用小便器を《泉》と題して展覧会に出品しようとしました。それまで美術作品は、画家が絵を描き、彫刻家が石を彫って「作るもの」という考え方が一般的でした。 しかしデュシャンは、「何を作ったか」だけでなく「何を美術として提示するのか」という考えそのものも作品になり得るという大きな問題を投げかけ、その後の現代アートに非常に大きな影響を与えます。 1917年から突然「現代アート」が始まったわけではなく、第二次世界大戦後には抽象表現主義、ポップアート、ミニマルアート、コンセプチュアルアートなど新しい動きが次々と登場し、1960年代以降、美術の範囲は急速に広がっていきました。その延長線上に、現在の現代アートがあります。

現代アートの特徴とは?

アンディ・ウォーホル<br><noscript><img decoding=アンディ・ウォーホル
「キャンベル・スープ トマト(サンデー・B・モーニング版)」
シルクスクリーン

現代アートは幅広く、「これが条件」と一つに決めることはできませんが、いくつか共通する特徴があります。

「何を描いたか」だけでなく「何を考えさせるか」
伝統的な絵画では「何が描かれているか」が大きな要素でした。現代アートでは、それに加えて「なぜこの作品を作ったのか」「何を問いかけているのか」が重要になることがあります。社会問題、消費社会、戦争、環境、ジェンダー、テクノロジーなど、生きる社会そのものが作品のテーマになることもあります。

素材や表現方法に決まりがない
現代アートはキャンバスに絵具で描かれた作品だけではありません。写真、映像、ネオン、日用品、廃材、デジタル技術、空間そのものなど、あらゆるものが表現の材料になり得ます。展示空間全体を作品にする「インスタレーション」や、身体を使った「パフォーマンス」もあります。

社会や時代と深く関係している
アンディ・ウォーホルはキャンベル・スープ缶やマリリン・モンローなど大量消費社会や大衆文化のイメージを美術に取り込みました。バンクシーは街の壁などを舞台に政治や社会への風刺を作品にし、村上隆は日本のアニメや漫画の文化と美術との境界を問い直してきました。

近代美術と現代アートは何が違う?

モネ《印象・日の出》油彩 1872年

モネ《印象・日の出》油彩 1872年

「近代美術」と「現代アート」は混同されやすい言葉です。近代美術では、画家たちが従来の美術のルールから自由になりながら、絵画や彫刻という枠組みの中で新しい表現を追求したことが大きな特徴です。印象派は光をどう描くかを追求し、セザンヌは形の捉え方を変え、キュビスムではピカソやブラックが対象を見る方法そのものを変えました。
一方、現代アートではさらに「そもそも絵画でなければならないのか」「美術作品とは何なのか」というところまで問いが広がっていきます。近代美術と現代アートの間に明確な一本の境界線があるわけではなく、20世紀美術のさまざまな試みが積み重なった結果として現代アートが生まれた、と考えると分かりやすいでしょう。

 

なぜ現代アートは「分からない」と感じるの?

韓国美術を代表する作家、ハ・ジョンヒョンによる単色画<br><noscript><img decoding=韓国美術を代表する作家、ハ・ジョンヒョンによる単色画
出典:美術手帖
https://bijutsutecho.com/magazine/news/exhibition/19394

現代アートを見て、「何がすごいのか分からない」「自分でも作れそう」と思うことは、決して珍しい反応ではありません。その理由の一つは、現代アートでは見た目の美しさや技術だけでは作品の意味が分からない場合があるからです。例えばキャンバスに一色だけ塗られた作品を見ても、それだけでは作者の意図や美術史上の背景まで理解できないかもしれません。
しかし、「なぜこの作品がこの時代に作られたのか」「それ以前の美術と何が違ったのか」「作家は何を問題にしているのか」を知ることで、見え方が変わることがあります。現代アートは、作品を見るだけで完結するというより、作品をきっかけに考えること自体を楽しむ美術という側面があります。

現代アートは「新しければよい」の?

宮島達夫「C.T.C.S. Tricolor」<br><noscript><img decoding=宮島達夫「C.T.C.S. Tricolor」
発光ダイオード、IC、ミラーガラス、電線、ステンレス・フレーム
2010年

現代アートは「新しければよい」の?

現代アートでは新しい表現が評価されることがありますが、単に「誰もやっていないことをやれば価値がある」というわけではありません。重要なのは、その新しさに「なぜその表現をする必要があったのか」という意味があるかどうかです。美術史に残る作品の多くは、それ以前の美術を理解したうえで新しい考え方や表現を提示してきました。新しさは現代アートの重要な要素の一つですが、新しいこと自体が価値なのではなく、その表現が何を生み出したのかを見る必要があります。

現代アートの代表的な作家

草間彌生「無限の網」銅版 1953-84年

草間彌生「無限の網」銅版 1953-84年

現代アートには非常に多くの作家がいますが、その中でも一般によく知られている作家として、次のような人々が挙げられます。

アンディ・ウォーホル
ポップアートを代表する作家。大衆文化や大量消費社会のイメージを美術へ持ち込みました。

ジャン=ミシェル・バスキア
ストリート文化を背景に、文字や記号、人物像などを組み合わせた力強い作品で知られています。

草間彌生
水玉や網目模様、反復するイメージを通して独自の世界を築き、国際的に高い評価を受けています。

奈良美智
子どもを思わせる人物像などを通して、かわいらしさだけではない孤独や反抗、内面性を感じさせる作品を制作しています。

村上隆
日本のアニメ、漫画、オタク文化と現代美術を結びつけ、「スーパーフラット」という考え方を提示しました。

バンクシー
ストリートを舞台に、社会や政治へのメッセージを込めた作品を発表している作家です。

現代アートの見方に正解はある?

現代アートを見るときに、「正しく理解しなければならない」と考える必要はありません。まずは「好き」「面白い」「不思議」「なぜこんな作品を作ったのだろう」という自分自身の反応から始めてよいのです。そのうえで作家の考え方や制作された時代、美術史上の背景を知ると、最初に見たときとは違った作品に見えてくることがあります。現代アートには、鑑賞者自身が考える余地が大きく残されています。作品を見る→疑問を持つ→背景を知る→もう一度見る。この繰り返しも、現代アートを楽しむ方法の一つです。

現代アートを購入するという楽しみ

現代アートは、美術館やギャラリーで鑑賞するだけでなく、実際に購入し、自宅やオフィスに飾って楽しむこともできます。現代アートを所有する魅力の一つは、自分と同じ時代を生きる作家の表現を身近に感じられることです。完成された美術史を振り返るだけではなく、現在進行形で活動する作家と同じ時代を生き、その活動を見続けることができます。
また、現代アートは空間との相性も魅力です。一枚の作品によって、何もなかった壁に強い個性が生まれたり、部屋の印象が大きく変わったりします。大切なのは「将来値上がりするか」だけで作品を選ぶことではなく、まず自分がその作品を好きか、長く見ていたいと思えるか、ということから選ぶのがおすすめです。

現代アートをもっと身近に

現代アートをもっと身近に

現代アートは、難しい美術用語を知らなければ楽しめないものではありません。「これは何だろう?」という疑問から始めてもいいのです。作品を見て何かを感じ、その背景を知り、もう一度作品を見る。そこから、それまで気づかなかった時代や社会、自分自身の価値観が見えてくることがあります。
現代アートとは、単に「今作られている新しい美術」ではなく、私たちが生きている時代を、美術を通して考えるための一つの方法ともいえるでしょう。

よくある疑問

Q.現代アートと現代美術は同じですか?

一般的にはほぼ同じ意味で使われています。「現代美術」はContemporary Artの日本語訳で、「現代アート」という呼び方も広く定着しています。

 

Q.現代アートはいつから始まりましたか?

厳密な開始年はありません。デュシャンなど20世紀前半の試みを重要な起点としながら、第二次世界大戦後から1960年代以降に発展したと考えると分かりやすいでしょう。

 

Q.現代アートはなぜ高いのですか?

すべての現代アートが高額なわけではありません。作家の評価、作品の希少性、制作年代、サイズ、技法、展覧会歴、美術館での評価、市場での需要など、さまざまな要素が価格に関係します。

 

Q.現代アートは誰でも作れるのですか?

誰でも作品を作ることはできますが、それが美術史や社会の中でどのような意味を持ち、継続して評価されるかは別の問題です。制作の背景や表現の独自性、作品群としての一貫性なども重要です。

 

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