成長する国で起きていること(前編)~ベトナム不動産の現状
このところ経済成長が著しいベトナムでは、不動産価格の高騰が続いているという話を、友人である不動産会社の社長から聞きました。
彼はベトナムでも不動産会社を営んでおり、現地の状況を踏まえた話には非常に現実味があります。
その話を受け、実際の市場を自分の目で確かめるため、現地を訪れてきました。
加速するベトナム経済
街に立ち並ぶ高層ビルたち最近の新聞などで目にされた方もいらっしゃるかと思いますが、ベトナムは年率7%を超える高い経済成長を続けています。
2025年の実質GDP成長率は8%を超え、さらに2026年には10%以上という目標も掲げられており、ASEANの中でも際立ったスピードで発展を続けています。
私はこれまでにも何度かベトナムを訪れていますが、訪れるたびに街が拡張発展していることを実感します。
街中では、建設中のビルの上に林立するタワークレーンが目に入り、次々と高層ビルが立ち上がっていく、その光景は、この国の成長を何よりも雄弁に物語っています。
経済が成長すれば、当然ながら資産価格は上昇します。
いわゆる資産インフレです。
ハノイやホーチミンでは、この15年ほどで不動産価格が約10倍にまで上昇したと言われていますが、その流れは現在も続いています。
特に2024年から2025年にかけては、マンション価格が前年比20〜30%上昇し、エリアによっては40〜50%を超えるケースも見られました。
ハノイでは供給不足が価格上昇を牽引し、過去最高水準を更新。
ホーチミンでも約30%の上昇が確認されており、都市部全体で需要が供給を大きく上回る状況が続いています。
リゾート地から「金融都市」へ
新たに建設された高級ビラ一方で、価格の上昇スピードが賃料の伸びを上回っているため、賃貸利回りはやや低下傾向にあり「値上がり益を前提とした市場」へと変化している点も見逃せません。
こうした都市部の動きだけでも十分に興味深いのですが、今回の訪問で強く印象に残ったのは、ベトナムが国を挙げて進めている都市開発の構造です。
象徴的なのがダナンです。
かつては静かな地方都市であったこの街は、国家主導の開発によってリゾート都市へと変貌しました。
そして現在はさらに一段階進み、2030年までのマスタープランと100年ビジョンのもと、スマートシティ、国際金融センター、観光・サービスの中核都市への転換を進めています。
140億ドル規模の海上埋立によるメガシティ計画、ハイテク産業の誘致、グリーンエコシステムへの投資など、これらは単なる観光開発ではなく、「持続的に成長する都市」を意図した設計です。
その結果として、不動産市場も再び活気を取り戻しています。
パンデミック後の回復を経て、2025年から2026年にかけて、ダナンの不動産価格は明確な上昇局面に入っているとされています。
2025年第3四半期には、マンション価格の成長率でハノイに次ぐ全国第2位を記録しました。
特に顕著なのが、高級セグメントへのシフトです。
新築マンションでは、1㎡あたり1億ドン(約60万円)を超える価格帯の供給が増加しており、かつての「手頃なリゾート地」というイメージから大きく変化しています。
また、不動産セクターの収益(不動産に関わるビジネス全体が生み出した売上・収入)も拡大しており、2026年初頭には前年同期比で約37%の増加を記録しました。
旧正月の影響で一時的に取引が落ち着く時期もあるものの、基調としては明らかに回復から成長へと移行しています。
国家戦略が書き換える都市価値
活気づいたベトナムの街並みこの背景には、空港拡張やITパーク、ハイテクパークの整備といったインフラ投資があります。
さらに観光需要の回復も大きく、2026年には年間1,700万人を超える来訪者が見込まれており、ビーチ沿いのリゾート物件や別荘への投資需要も依然として強い状況です。
こうした話を聞いていると、どこかで、自分も不動産投資をしてみたい――そんな気持ちが湧いてきます。
国家が未来の方向性を示し、インフラを整備し、資本と人を呼び込む。
その結果として資産価格が上昇していく。
この構造に早く乗った人ほど、大きく資産を増やしていく。
これは、これまで多くの成長国で繰り返されてきた現象でもあります。
ベトナムの国家体制と開発計画

ところが、現地の不動産に実際に触れてみると、そう単純な話ではないことにも気づかされます。
まず理解しておかなければならないのは、ベトナムという国の体制そのものです。
ベトナムは、ベトナム共産党による一党独裁体制の社会主義共和国であり、憲法においても党が国家を指導することが明確に定められています。
つまり、市場は存在していても、その根底には常に「国家の意思」があり、制度やルールは政策によって変化し得るという前提があります。
その上で不動産に目を向けると、外国人は土地そのものを所有することはできず、コンドミニアムの区分所有、あるいは通常50年という使用権に限られます。
また、売却時には譲渡価格に対して約2%の個人所得税が課されます。
つまり、どれほど魅力的に見える市場であっても、その背後にある国家体制と制度、そして構造を理解しなければ、本質的な判断はできないということです。
そして今回の訪問の目的は、ダナンに続く国家プロジェクトの現地視察にありました。
ダナンの次に、国家主導で大規模な開発計画が進められている「次の都市」が、すでに決まり、計画が進行しているというのです。
この国の成長は、一つの都市で完結するものではないようです。
次の場所へ、次の機会へと連続していきます。
その連鎖のどこに注目するのか。
それこそが、これからの時代における資産形成の本質なのかもしれません。
後編へ続く>>

翠波画廊代表 髙橋芳郎
株式会社ブリュッケ(翠波画廊)代表取締役。
美術大学卒業後、都内の画廊での修行を経て、1990年に独立。 2001年、故郷の秀峰の名を冠した「翠波画廊」をオープンさせる。
以降長きにわたり、ピカソ、マティス、藤田嗣治、ユトリロ、ローランサン等フランスの近代巨匠から、
ウォーホル、キース・へリング等現代アートまで幅広く扱う。
《確かな資産性を備えた、希少性の高いコレクションを取り扱い中です》
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