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アートの本質的価値
~すべての価値の「起点」にあるもの

本質的価値としてのアート

パブロ・ピカソ「座るシニヨンの女性」リノカット 50部
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アートの価値について語ろうとすると、私たちはつい「評価」や「価格」から話を始めてしまいます。
いくらで取引されているのか、誰が所有しているのか、美術館に収蔵されているのか。
もちろん、それらはアートを語るうえで重要な要素ですし、実際、私自身も日々その世界に身を置いています。
けれど同時に、長く作品と向き合ってきた中で、いつも立ち返る問いがあります。
それらの意味や価値が付与される「前」に、そもそもアートとして成立している根拠は、どこにあるのか。
社会的に評価される以前に、市場で価格がつく以前に、私たちはなぜ「これはアートだ」と感じてしまうのか。
私はそれを、アートの「本質的価値」と呼んでいます。

理由より先に心が動くとき

シャガール「天蓋の結婚式」1981年 グワッシュ、墨、紙
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本質的価値とは、説明や肩書きがなくても成立してしまう力のことです。
作家名を知らなくてもいい、美術史の知識がなくてもいい。
それでも「なぜか目が離れない」
「理由は分からないが、気になってしまう」
その瞬間、作品はすでに私たちに作用しています。
本質的価値とは、見ることによって「理解できるかどうか」を判断する以前に、感情や感覚が先に動いてしまうこと。
それは理屈の問題ではなく、感覚や時間、そして作品を取り巻く空間に深く関わるものです。

〈考える回路〉が止めてしまうもの

アンディ・ウォーホル「キャンベル・スープ I 48」
1968年 シルクスクリーン 250部

ところが現代の私たちは、アート作品の前に立つと、無意識のうちに「考える」ことから始めてしまいがちです。
「これはどういう意味だろう」
「正しく理解できているだろうか」
「自分の感想は間違っていないだろうか」
この〈考える回路〉が先に動き出した瞬間、〈感じる回路〉は静かに止まってしまいます。
たとえば、道端に咲く小さな花を見て、名前も知らないまま「健気で、かわいいな」と心を動かされることがあります。
ところがスマートフォンをかざして、花の名前や分類を知った途端、最初に抱いたその純粋な感情が、ふっと遠ざかってしまう。
アートの前で起きていることも、それに少し似ているのかもしれません。

最初の反応としてのアート

キース・ヘリング「Statue of Liberty」
シルクスクリーン年 リトグラフ 100部

本来、アートは理解してから感じるものではありません。
音楽を聴くときのように。
風景を眺めるときのように。
まず身体や感情が反応し、言葉は後から、ゆっくり追いついてくるものです。
本質的価値とは、その「最初の反応」を引き起こす力だと、私は考えています。

 

本質的価値を持つ作品には、ある共通点があります。
それは、人の心と、作品が置かれた空間のその両方に作用するという点です。

・毎日見ているのに、なぜか飽きない
・部屋に入った瞬間、空気が変わった気がする
・説明できないが、そばにあってほしいと感じる

こうした感覚は、外から与えられる評価によって生まれるものではありません。
作品そのものが、内側に持っている力です。
だからこそ、本質的価値のある作品は、特別な場所よりも、むしろ日常の中に置かれたときに、その力を最もよく発揮します。

評価よりも先にあるもの

ギィ・デサップ「パリ、夕暮れのシャンゼリゼ」油彩30号
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社会的評価も、歴史的意義も、そして経済的価値も、本質的価値がなければ長くは続きません。
一時的に注目を集めることはあっても、時間を経て残るのは、内側から意味を生み続ける作品だけです。
アートの本質的価値とは、すべての価値の出発点であり、同時に最後まで残る「核」でもあります。
翠波画廊では長年、
「まず美しいと感じるか」
「この空間に置きたいと思えるか」
という視点を大切にしてきました。
なぜなら、それこそがアートにとって最も大切な要素だと考えているからです。

心が惹かれる瞬間こそ、価値の始まり

ギィ・デサップ「パリ、エッフェル塔(茶)」油彩20号

作品を前にしたとき、理屈や評価を超えて、素直に心が惹かれるかどうか。
その感覚こそが、本質的価値を見極めるための、最も誠実で実践的な方法だと私たちは考えています。
言葉にできなくても構いません。
むしろ、アートは必ずしも説明を必要とするものではありません。
まずは、何かを感じるその心の声に、静かに耳を傾けてみてください。
優れたアート作品は、あなたの日常や時間の中で、静かに、しかし確かに意味を語り始めます。
翠波画廊は、そのように人生の時間とともに育っていくアート作品を、今年もお一人おひとりに丁寧にお届けしたいと考えています。

アート作品をお探しの方は、ぜひ翠波画廊にご相談ください。

 

 

翠波画廊代表 髙橋芳郎

株式会社ブリュッケ(翠波画廊)代表取締役。
美術大学卒業後、都内の画廊での修行を経て、1990年に独立。 2001年、故郷の秀峰の名を冠した「翠波画廊」をオープンさせる。
以降長きにわたり、ピカソ、マティス、藤田嗣治、ユトリロ、ローランサン等フランスの近代巨匠から、
ウォーホル、キース・へリング等現代アートまで幅広く扱う。

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絵を見る喜びとはどこにあるのか。なぜ人は作品に惹かれるのか。日々お客様と作品の前で交わしてきた視点や気づきをもとに、アートが持つ魅力と価値を、専門知識に頼らず読み解いていきます。

 

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著者:髙橋芳郎

 

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