フランスの新鋭アーティストToctocを知っていますか?
彼が生み出したキャラクター「DUDUSS(ドゥドゥ)」は、大きな丸い目とシンプルな線で描かれ、世界中のポップカルチャーアイコンに「変身」することで知られています。
この記事では、アーティストToctocの人物像と、彼の作品の中核をなすDUDUSSの世界について解説します。
「百聞は一見に如かず」ですから、翠波画廊で販売している絵画を紹介しながら進めていきましょう。
「見る人を笑顔にしたい」と語ったToctoc
1991年フランス生まれのToctocは、パリを拠点に活動する多才なアーティストです。
ストリートアートを主戦場としながら、イラストレーションや映像制作も手掛けています。
応用芸術を学んだ彼は、ティム・バートンのダークで幻想的な世界観、キース・ヘリングやジャン=ミシェル・バスキアといったポップアートの巨匠、そしてシェパード・フェアリー(OBEY)のストリートアートに強い影響を受けたと公言しています。
DUDUSSは、Toctocが2011年末にパリの街角で生み出した、ミニマルなデザインのキャラクターです。
その特徴はなんといっても、大きく見開かれた丸い目と、感情を読み取りにくいシンプルな表情にあります。
ToctocはこのDUDUSSを自身の「分身」と位置づけて、多くの絵に登場させています。
たとえば、《モナ・リザ・イン・パリ》では、DUDUSSがモナ・リザに扮しています。
その背景に広がるのは、原画のイタリアの風景ではなく、フランスのセーヌ川でしょうか。ルーヴル美術館のような建物も見えます。たしかに《モナ・リザ》の絵はルーヴル美術館に所蔵されています。
DUDUSSが座っている桟橋には、赤スプレーで「MONA LISA」と書かれています。スプレー缶がそばにあるので、DUDUSSが自分で書いたのでしょう。まるで「モナ・リザ見参」宣伝しているかのようです。
この絵はイタリアの巨匠ダ・ヴィンチが描いた名画《モナ・リザ》が、現在はフランスのものになっていることを揶揄しているかようですが、バックの風景画あまりきれいに描かれていないことから、ルネサンスの時代は文化の外れだったフランスを、スプレーの落書きが流行るような田舎だと自虐的に笑っているようでもあります。
ストリートアート出身のToctocは、気取った宮廷文化よりもグラフィティのほうがクールだと考えていることでしょう。
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DUDUSS化される文化アイコン
DUDUSSは単なるオリジナルキャラクターではありません。その真骨頂は、古今東西の有名なキャラクターや人物に成り代わる「DUDUSS化」にあります。モナ・リザだけでなく、スパイダーマン、バットマン、マリオ、ピカチュウなどもDUDUSS化されています。
ToctocはDUDUSSをキャンバスに、スーパーヒーロー、アニメの主人公、歴史上の人物、有名企業のロゴまで、あらゆるポップカルチャーのアイコンを再構築します。これらの作品は、元ネタを知る人なら誰もがニヤリとしてしまうユーモアに溢れています。
しかし、単なるパロディに留まらないのがToctocの巧みさです。彼はDUDUSSというフィルターを通すことで、元々のキャラクターが持つ権威やイメージを一度解体し、見る人にとってより身近で親しみやすい存在へと変換させるのです。
たとえば、《ホッパーにいたずら》は、アメリカの巨匠エドワード・ホッパーの《トゥー・ライツの灯台》にスプレーでいたずら書きをしたという設定の絵です。この作品では覆面をしてスプレーを持った犯人と、それを見つけて追う警官の2人がDUDUSS化されています。
もともとの絵がとてもシンプルな灯台だったので、スプレーによるグラフィティがとても目立っています。その中に見たことがあるような絵もまざっています。灯台の上のほうにはインベーダーが、下のほうにはバンクシー《風船と少女》が描かれています。もしかして、覆面の犯人はインベーダーかバンクシーなのでしょうか。よく見ると、犯人の着ているシャツには「バンクシーじゃない(NOT BANKSY)」と書かれています。怪しいですね。
実はこのDUDUSS、《バンクシーを讃えて》という作品にも登場しています。やはりバンクシーなのでしょうか。
Toctocの活動は、ストリートという開かれた場所から始まりました。
その根底には「アートは美術館やギャラリーの中だけにあるのではなく、もっと日常的で、誰もが楽しめるものであるべきだ」という信念があります。
DUDUSSという親しみやすいキャラクターと、誰もが知るポップカルチャーという共通言語を用いることで、彼はアートと大衆との間の壁を取り払おうとしているのです。
ToctocとDUDUSSの世界は、私たちにアートの新しい楽しみ方を教えてくれます。それは、日常の中に隠されたユーモアを発見し、シリアスな物事を少しだけ軽やかに捉え直す、遊び心に満ちた視点なのです。
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