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画家が直接キャンバスや紙などに描く肉筆作品と異なり、 同じ絵を一度に量産できるのが版画です。 「版画はどうも分かりにくい…」と思う方も多いですが、 今回のメールで版画について知れば、安心して版画作品を購入できるでしょう。

 

版画技法は主要なものだけでも10種類以上に及びますが、 大きくカテゴリー分けすると、「平版」「凸版」「凹版」「孔版」の4種類に大別されます。

 

平版(リトグラフ、コロタイプなど)

カシニョール「あじさいとオード」リトグラフ

「版画」と聞くと、版を彫ったり削ったりを連想する方も多いですが、平版は版が平らなまま、インクののる部分とのらない部分を作って転写する技法です。 美術館などでも目にすることが多いリトグラフは、石灰石やアルミ板に、クレヨンなど油性の画材で直接描き、硝酸を加えたアラビアゴム液を塗って版上に化学反応をおこします。その版を水で濡らすと、油性の画材で描いたところは水をはじき、描写していないところは水を吸収します。その上にローラーで油性インクをつけていくと、水を吸収したところはインクをはじき、描写部分にだけ油性インクがのるので、そこに紙をのせてプレス機で刷って転写させる技法です。カラーのリトグラフの場合は、必要な色の数の版を作り、重ねて刷り上げていきます。

 

リトグラフの魅力は、描いたままの線が版画になり、画家が描いた絵の雰囲気を忠実に再現できることでしょう。多くの枚数を刷れるといった利点もあるため、ピカソ、シャガール、ミロ、ビュッフェなど、名だたる画家たちがリトグラフを手掛けています。 平版にはリトグラフの他にも、コロタイプと呼ばれる技法もあります。

 

 

凸版(木版画、リノカットなど)

棟方志功「颯子の柵」板画

版の凸部分にインクをのせて紙に写し取る技法は、凸版に分類されます。 木版画は木の板を、描きたい線や面だけ残して、他を彫刻刀で削り、凸部分にインクを塗り、紙をあててバレンやプレス機で写し取る技法です。学校の美術の授業で体験することも多い木版画ですが、細い線や微妙な凹凸を彫ることができたり、温かみのある仕上がりが魅力です。 例えば、棟方志功は木版画を「板画」と呼んで、生涯に渡って積極的に制作しました。 他にも、木材の代わりにリノリウムを使用して制作されるリノカットという版画技法も、凸版に含まれます。

 

凹版(銅版画)

ビュッフェ「ふくろう」
ドライポイント

凹版は、凸版とは反対に、版の溝(凹部)にインクを詰め、高圧のプレス機で紙にインクを刷りとる版画です。主に銅版画の技法がここに分類されます。 銅版画は、版の凹部を「彫る・削る」か「腐食させる」かによってカテゴリー分けされます。 版を「彫る・削る」方法はドライポイントやメゾチントが代表的な技法です。

 

ドライポイントは、ニードルという先のとがった鉄筆で銅板に直接描画します。彫った後にできる金属のめくれをそのままにするため、そこにインクがたまり、線の周囲に微妙なにじみが生じるのが特徴です。 ビュッフェがドライポイントの作品を好んで制作しました。

 

長谷川潔「小鳥と魚の友愛」
メゾチント(マニエール・ノワール)

メゾチントは、ロッカーなどの道具で、銅板全体にくまなく均等なまくれを作り、それを削ることで描画する技法です。 柔らかいビロードのような質感を持った黒が魅力的なメゾチントですが、大変な労力と時間と習練を要する技法で、一時は廃れかけた技法でもありました。 そんなメゾチントを復活させたのは日本人画家の長谷川潔や浜口陽三。彼らの作品は世界的にも高い評価を受けています。

藤田嗣治「魅せられし河:
ヴァンドーム広場」エッチング

一方、版を「腐食させる」ことで描画する技法には、エッチングやアクアチントが挙げられます。

 

エッチングは、銅板にグランドと呼ばれる防蝕剤を塗り、その上からニードルで描写します。その版を酸で腐蝕すると、削られた部分のみ腐蝕されて溝ができ、そこにインクをつめて転写していきます。 エッチングには、画家のデッサン力をダイレクトに表現できる利点に加え、腐蝕する時間や湿度でも線の調子が変わるので、その特徴を生かして濃淡のニュアンスに富んだ線を表現できる魅力があります。

ルオー「受難:横顔のキリスト」
アクアチント

アクアチントは、水彩画風の表現ができ、線ではなく色面のグラデーションが可能な技法です。銅板に松ヤニの粉末を撒布し、熱して砂目状の版を作り、その上にグランド液で描画し腐蝕します。グランドで描いた部分や粉末の付着した部分は腐蝕されずに残りますが、松ヤニの粒子の大きさや腐蝕する時間によって異なる効果が得られます。 20世紀の巨匠ルオーはアクアチントの技法を研究し、色鮮やかで美しい銅版画を制作しています。

孔版(シルクスクリーン、ポショワールなど)

ユトリロ「幻の村:ラパン」ポショワール

孔版は、版に開けられた孔(空いた穴)を通して、下に置いた紙にインクを刷る方法で、下絵が反転しない版画技法です。 シルクスクリーンやポショワールが挙げられます。

 

ポショワールは、薄い金属板や紙を切り抜いた型紙を用いて、インクをのせて穴を通して転写していきます。細かい描写は難しいのですが、簡潔で明快な表現ができる技法で、古くから使われてきた版画技法の1つです。

ウォーホル「The New Spirit
(Donald Duck):広告より」シルクスクリーン

シルクスクリーンは、枠に張った絹やナイロンを版とし、写真現像の技術を応用して、絵柄を版に焼きつけ、その網目からインクを下の紙に刷ります。 ぼかしがなく、メリハリのある色彩がでるので、アンディ・ウォーホルや草間彌生といった現代アートの版画作品によく用いられています。

肉筆作品とは違い、版画は刷り上がるまでどんな仕上がりになるか分かりません。 偶然的に生まれた表現も、版画作品の大きな魅力のひとつでしょう。

 

色々な技法についてお伝えいたしましたが、次に美術館や画廊で絵を見るときには、 ぜひその技法にも着目してみてください。より深く絵を楽しむことができるはずです。

 

次回は、日本に流通している「4つの絵画ジャンル」についてお伝えいたします。

 

メルマガシリーズ全8話を最後まで読んでくださった方には、 特別なプレゼントをご用意していますのでお楽しみに…!

 

 


 

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