アートコラム

2年で2倍(!?)価格急上昇、話題の巨匠とは?

2016/05/31

今年201643日の香港のオークションで藤田嗣治の「猫とヌード」100号作品が39,400,000香港ドル(日本円で57千万円)で落札され話題となったことを
ご存知ですか?

猫とヌード」油彩100号

 

1930年の乳白色の下地に横たわる裸婦と猫が描かれた本作品はこの時代を代表する傑作です。
しかし僅か2年前の2014年の3月にロンドンで開催されたオークションでは、手数料込 £1,202,500(日本円で約256百万円)で落札されていたものなのです!
この突然ともいえる価格高騰のワケとは一体?

 

藤田作品が高額なのはなぜ? その理由・・・

 

image33

鑑定家であり美術史家、
藤田画集の著者 シルヴィ・ビュイッソン氏

 

藤田研究の第一人者で藤田の作品集を編纂し、また藤田嗣治の鑑定家でもあるシルヴィ・ビュイッソン氏によると、藤田は生前に驚くほどの作品を描いていて、毎年それまでに見たことのない藤田の作品が彼女のもとに鑑定のため持ち込まれるそうです。
確かにフランス、日本で出版された作品集を見ても生前に描いた作品の多さに感心します。
しかし、その割には特に油彩作品などが売り物として市場に売りに出る数は少なく、世界的オークション会社のセールにも年間を通して油彩作品は数えるほどしか出ません。
そのため流通する作品が少ないわりに、お探しのお客様多く、作品の価格がどうしても高くなってしまうのはやむを得ないように思います。
今回の作品が2年の間で2倍強の価格になったということは驚きですが、藤田嗣治の画家としてのフランスでの再評価、最近の日本での人気の高さ、それに対して売り物として出てくる作品の少なさから考えると当然かもしれません。

 

新たな買い手参入!

image35

また今回もう一つ話題となり、多くの美術関係者に驚きを与えたのは、作品を落札したのが日本人でもアメリカ人でもフランス人でもなく、中国人だったということです。

我々にとって中国人コレクターというと自国の骨董品か現代美術を購入するが、近代のフランス絵画には関心がないというイメージがあったからです。

しかしここにきて中国人の富裕層が近代フランス絵画にも興味を持ち、美術市場に新たな買い手として参入してきているようです。

 

藤田嗣治作品一覧はこちらからご覧いただけます。

 

 


芸術はよくわからない、アートは難しいなどと思っていませんか?

絵画の価格はどうやって決まるのか、画商の視点でわかりやすく解説。
読後はアートを身近に感じて美術館に行ってみたくなるはずです。

 

「値段」で読み解く 魅惑のフランス近代絵画

 

単行本:302ページ
出版社:幻冬舎
著者:髙橋芳郎

 

価格:1,400円(税別)
全国有名書店、amazonでもご購入いただけます

 

amazonページはこちら >>

 

翠波画廊でも発売中! ※通常配送料無料

新聞、雑誌でも紹介されています!

「サンデー毎日」

本とのふとした出会いで幼いころの自分を思い出す
幼いころ、絵画鑑賞が趣味だった母に連れられて、よく展覧会を訪れた。・・・

「月間アートコレクターズ」

世に美術市場を扱った書は数あるが、印象的なタイトルと装丁家として日本を代表する鈴木成一の手になる雰囲気ある装丁の本書は、翠波画廊を構える髙橋氏の書き下ろし。・・・

「北日本新聞」

セザンヌ、モネ、ルノワールやゴッホ、ピカソ、シャガールら近代美術の巨匠たちの絵の値段について考えたことはあるだろうか。・・・

 

 

コラム一覧に戻る