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エコール・ド・パリ時代の画家を、どれほど知っていますか?<アジア・南米編>
~斉白石やニコ・ピロスマニも同時代の画家

2018年現在、日本が承認している国家の数は自国も含めて196か国。この中には台湾や北朝鮮やパレスチナなどが含まれていないので、およそ200の国が世界中にあると考えてよいでしょう。20世紀前半の戦乱の時代、いまだ独立していない国や他国の占領下にあった国もあったのですが、そんな中でもどの国にも人々の暮らしがあり、絵を描く画家がいました。当時、芸術の都として特に有名だったのがフランスの首都パリです。20世紀初頭、世界中からパリに集まった外国人画家を指してエコール・ド・パリ(パリ派)という言葉が生まれました。ピカソやシャガールやモディリアーニの時代の世界各国の画家を紹介します。

 

今回は、広く世界中に目を向けます。 まずはヨーロッパの残りの国から見ていきます。

 

ヤコピッチ「緑のレース」

最初はスロベニアです。スロベニアは、かつてはオーストリア=ハンガリー帝国の一部であり、その後はユーゴスラビアの構成国となるなど、複雑な歴史を持っています。そのスロベニアで、中心的な画家だったのがリハルド・ヤコピッチ(1869-1943)です。スロベニアの印象派とも呼ばれたヤコピッチの絵画は、色彩が鮮やかで見る者の目を楽しませてくれます。

 

ピロスマニ「女優マルガリータ」

次にルーマニアです。 ルーマニアには、シュルレアリスムの画家ヴィクトル・ブローネル(1903-1966)がいました。日本ではあまり知られていませんが、クレーやダリやマグリットを彷彿とさせるその画風は、もっと評価されてもいいと思います。 ヨーロッパを離れて西アジアのコーカサス(カフカス)地方に移りましょう。 まずは、その生涯が二度も映画化されているために、日本でも知名度の高いジョージア(グルジア)の国民的画家ニコ・ピロスマニ(1862-1918)を取り上げましょう。ピロスマニは、独学で絵を学び、山下清のような放浪癖と、アンリ・ルソーのような素朴さで、多くの人に愛されています。ピロスマニの伝記映画「放浪の画家ピロスマニ」は1978年に日本公開されたものですが、2015年にも再び劇場公開されるほどの人気がありました。

 

ゴーキー「画家とその母」

日本ではジョージアは、大関・栃ノ心もの出身地として有名でしょうか。ブルガリア出身の琴欧州、エストニア出身の把瑠都など、意外とこのあたり出身の力士は多いのです。 年配の方であれば、ジョージア(グルジア)はソ連のスターリンの故郷と覚えているでしょうか。バルト三国、ベラルーシ、ウクライナの東欧から、ジョージア、アルメニア、アゼルバイジャンのコーカサス地方は、かつてはソビエト連邦の一部でした。

 

ジョージアの隣国、アルメニア生まれのアーシル・ゴーキー(1904-1948)は、戦乱を避けてアメリカに移民した画家の一人です。アメリカに渡ったゴーキーは、オランダからの移民ウィレム・デ・クーニングと友人になり、お互いに影響を与え合いました。44歳の若さで自死したことが惜しまれます。

 

斉白石「松柏高立図 篆書四言聯」

次に東アジアです。 中国代表は、テレビ番組「開運!なんでも鑑定団」にもしばしば出品されることで有名な画家・書家の斉白石(チー・バイシー)(1864-1957)です。 斉白石は、貧しい生まれだったために十分な教育を受けることができず、家具職人として生計を立てながら独学で絵を学びました。その作品の素晴らしさは今では広く認められ、その作品は、オークションで161億円の価格で落札されたこともあります。

 

お隣の韓国代表は、許百錬(ホ・ペンリョン)(1891-1977)です。ペンリョンは「韓国南宋文人画最後の大家」と言われるように、中国由来の絵画の達人です。職業画家の精密な画を院体画(北宋画)というのに対し、その後に現れた、写実性よりも精神性を重視した画を文人画(南宋画)と呼びます。職業画家ではなく、知識人(文人)が余技として描いたような絵との意味です。

 

次にインドネシア代表として、バリ島の画家グスティ・ニョマン・レンパッド(1862-1978)を挙げておきます。バリ島の絵画はインドからジャワ島、そしてバリ島へと伝わったもので、インド神話の影響が強いです。レンパッドはバリ島の影絵芝居ワヤンのスタイルを学びながら、独自のスタイルを模索しました。生年については諸説あります。

 

最後は南米に飛びましょう。 ブラジル代表はカンディド・ポルチナーリ(1903-1962)です。ブラジルの国立芸術学校で学び、ヨーロッパ旅行をして見聞を広めたポルチナーリは、1931年、ブラジルに旅行して個展を開催した藤田嗣治と出会い、多大な影響を受けます。藤田とポルチナーリは、お互いの寝顔をデッサンするなど親交を深め、2人で「フジナリ」と言われたそうです。

 

アルゼンチン代表は、女性画家のレオノール・フィニ(1907-1996)を選びました。イタリア人の母とアルゼンチン人の父との間にブエノスアイレスで生まれたフィニは、1歳の時に両親が離婚したために、母の実家であるイタリアで育ちます。1930年代からはパリに移住し、ピカソやエルンストとも知り合い画家として自立していきます。彼女はローランサンに続く、パリ美術界のアイドルでした。

 

以上、今回も1860~1900年代生まれの各国の画家から9人を選出しました。

 

スロベニア代表:リハルド・ヤコピッチ(1869-1943)
ルーマニア代表:ヴィクトル・ブローネル(1903-1966)
ジョージア代表:ニコ・ピロスマニ(1862-1918)
アルメニア代表:アーシル・ゴーキー(1904-1948)
中国代表:斉白石(チー・バイシー)(1864-1957)
韓国代表:許百錬(ホ・ペンリョン)(1891-1977)
インドネシア代表:グスティ・ニョマン・レンパッド(1862-1978)
ブラジル代表:カンディド・ポルチナーリ(1903-1962)
アルゼンチン代表:レオノール・フィニ(1907-1996)

 

 

 


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