アートコラム

近年、稀少価値から価格が急上昇、その理由

2016/01/29

藤田嗣治と言えば、戦前から戦後にかけてパリで活躍した画家であり、当時エコール・ド・パリと呼ばれた画家のグループの一人として知られています。世界で通用する最初の日本人画家ですから、作品の値段も小品の油彩でも数千万円はします。その藤田作品が今さらに価格上昇の機運なのです。その理由は何でしょうか?

理由のひとつとして、藤田研究の世界的権威のシルヴィ・ビュイッソンさんによると、藤田は生前、かなり旺盛に仕事をして油彩をはじめ驚くほどの作品を残しておりましたが、生前から評価され人気も高かったため世界中のコレクターによって購入されたこと、またそれがなかなか手放されることがないため市場に出回る作品が少ないことが挙げられます。

また、2015年に公開された映画「FOUJITA」の影響もそのひとつと見ることができます。これは小栗康平監督が藤田のパリでの活躍と苦悩を描いた話題の映画で、オダギリジョーが藤田のトレードマークだったオカッパ頭に扮して演じ、その演技も高く評されています。映画に呼応するように、東京国立近代美術館が藤田の全所蔵作品25点を展示(2015年9月19日~12月13日)し、さらに藤田が監督した映画も上映しました。

村上隆や奈良美智がヨーロッパで評価されるずっと前に、フランス画壇で確固とした地位を確立した画家の独自性が再び見直されています。この国内の動きは当然海外にも影響しますから、今後は欧米などでも藤田作品の人気が高まることでしょう。

 

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