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「長谷川潔・浜口陽三 メゾチントの世界展」終了しました

「長谷川潔・浜口陽三 メゾチントの世界展」
1月23日(月)~2月4日(土) 10:00~18:00<日祝休>

 

日本を代表する銅版画の二大巨匠、長谷川潔、浜口陽三の黒の誘惑が美しい銅版画を中心に、
現在活躍中の銅版画家、清水敦の作品も併せてご紹介しました。
たくさんのご来廊ありがとうございました。

 

 


イギリスの百科事典に掲載された国際的な作家・浜口陽三

1909年、ヤマサ醤油株式会社の10代目社長、濱口儀兵衛の三男として和歌山に生まれた浜口陽三。
東京美術学校を中退してフランスに渡りましたが、メゾチントに取り組み始めたのは40歳を過ぎてからでした。
当初は、黒の濃淡が美しい作品で認められ賞も受賞しましたが、それに満足することなく、試行錯誤をし、
独自のカラーメゾチント技法を確立させることに成功。高度な技術から生まれる静謐な世界は、
他の追随を許さず、高い評価を得ることになりました。

 

漆黒の闇に鮮やかな果物や昆虫、身近な静物などが浮かび上がり、静かな輝きに満ちて、
不思議な存在感を湛える作品は、数々の国際的な賞を獲得し、世界的な地位を確立。
またイギリスの百科事典「エンサイクロペディア・ブリタニカ」の「メゾチント」の項目で、
「カラーメゾチントの新しい技法を開拓した作家」として紹介され、
浜口は生涯そのことを誇りにしていたといいます。

 

現在、東京日本橋には、浜口陽三の作品を集めた美術館「ミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクション」があり、
世界的人気銅版画家浜口陽三の活動の軌跡を鑑賞することができます。

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浜口陽三 作品一覧はこちら >>

 

世界が認めた銅版画家・長谷川潔の世界

長谷川潔は、世界が認めた、日本を代表する銅版画家。
でもひとくちに銅版画と言っても、ドライポイントやメゾチント、エッチングなど様々な種類があることをご存知ですか。
銅版画の中でも白と黒の微妙な諧調表現ができ、仕上がった版画の表面がビロードのような美しさのあるのがメゾチント版画です。
メゾチント版画は、17世紀にヨーロッパで印刷技術として広く普及します。
しかし制作に手間と時間がかかる割に少部数しか刷れないため19世紀には廃れてしまい、その技法を伝承する職人もいなくなってしまいました。
その忘れ去られた技法を甦らせたのが長谷川潔です。

 


  長谷川潔 作品一覧はこちら >>
1918年に版画技術習得のためパリに渡った長谷川潔は版画技法を学びながらサロン・ドートンヌ等の
サロンや展覧会に作品を出品し、1926年にはサロン・ドートンヌの会員になるなど版画家としての
地位を確立していきます。その後、メゾチント技法の復元をこころみ、図書館で関連文献を調べたり、
蚤の市でメゾチントに必要な道具を探し求めたりなど苦心し、一度はこの世から忘れ去られた
メゾチントの技法を復元します。

 

黒の表現にこだわった、緊密で調和のとれた精緻な画面構成で、精神的高みと深い奥行きを感じさせる
作品を数多く生み出し、フランスで数々の受賞を重ねました。そして作品はルーヴル美術館や
フランス文部省が購入するなど、フランス画壇において着実に地位を高めたのです。

 

1975年には、フランス国立貨幣・賞牌鋳造局において葛飾北斎、藤田嗣治に続く日本人画家の
3人目として肖像を浮彫したメダルが鋳造されるという栄誉に輝きました。こうして戦前戦後にかけて、
銅版画の世界で国際的な活躍をし、高い評価を得た長谷川潔は、渡仏以来、一度も日本に帰ることなく
パリで生涯を終えました。
メゾチントは、フランス語でマニエール・ノワール(黒の技法)と呼ばれ、今や長谷川潔の代名詞と
言われるほどです。現在も世界中を魅了し続ける長谷川潔の作品をぜひ翠波画廊でご覧ください。
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